れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

変革185 Part1

暇潰し企画第2弾!今回は2013年頃の185系について書いていこうと思います。

 

なんで2013年?って話なんですが、個人的に185系の歴史の中で2013年から2014年あたりって一番面白い時代だと思うんですね。あと、当時の様子を記録したメモが大量に発掘されたから書きやすいってものあるんですけど。

 

そんなわけで、当時のメモをもとに2013年頃の185系の動きを見ていきたいと思います。なお、本記事の内容は個人で収集した情報をもとに書いているため、多少の誤りがあるかもしれません。ご了承くださいませ。あと、当時撮ったたいへんお見苦しい写真を多数掲載することになると思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。

 

では、いってみましょー。

 


 

0.プロローグ

まずは2013年初頭の185系の所属状況から見てみましょう。

 

田町車両センター(東チタ):164両

A編成(10両):8本(A1~A8)

B編成(7両):7本(B1~B7)

C編成(5両):7本(C1~C7)

 

大宮総合車両センター宮オオ):63両

OM編成(7両):9本(OM01~OM09)

 

※~2013.3.15

 

登場から32年目を迎えたわけですが、依然として残存率100%、全編成全車両が現役という状態が続いていた185系。田町所属の編成は「踊り子」・「湘南ライナー」、大宮所属の編成は「草津」・「あかぎ」を中心に受け持つという体制も、長らく維持されてきました。そんな185系の変革、いや、崩壊が始まったのが2013年なのでありました。

 

最初に動きがあったのは、ダイヤ改正を3日後に控えた2013年3月13日。C7編成に組み込まれていたサハ185-7が長野送りとなりました。185系史上初の廃車ということになります。これでC7編成はしばらく運用を離脱することとなりました。

 


 

1.2013年3月改正前夜

2013年は3月16日の実施となったJRダイヤ改正東北新幹線はやぶさ」が320km/h運転を開始したことでおなじみのダイヤ改正ですが、高崎支社からひっそりとこんな発表がなされていました。

 

・「草津」「あかぎ」のグリーン車位置を変更

 

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OM編成は麓側に動力車を集中させるという碓氷峠時代の名残から、従来は6号車の位置にグリーン車が連結されていました。これを編成の真ん中、4号車の位置に組み替えるというのです。

 

そしてもう1つ、この改正のタイミングで185系の大きな動きが予定されていました。それが田町車両センターの車両配置廃止に伴う、全所属車両の大宮総合車両センター転属になります。改正後の配置は以下の通りです。

 

田町車両センター(東チタ):車両配置なし

 

大宮総合車両センター宮オオ):226

A編成(10両):8本(A1~A8)

B編成(7両):7本(B1~B7)

C編成(5両):6本(C1~C6)

C編成(4両):1本(C7)

OM編成(7両):9本(OM01~OM09)

 

※2013.3.16~

 

ということで、185系全編成が大宮総合車両センターに大集結という、なんかちょっと感動的な展開になったのでした。とは言えど、東海道線を主戦場とするA編成とC編成は、一部の運用が東大宮操に入庫するようになった程度で、転属による大きな変化は見られませんでした。

 

大きな動きを見せたのは7両のB編成とOM編成。先程のグリーン車連結位置変更の話で気付いた方もいらっしゃると思いますが、

 

・OM編成のグリーン車を6号車から4号車に変更

・改正前夜に全編成を組み替えるのは不可能

・B編成のグリーン車はもともと4号車(新前橋からの転属時に組み替え)

・B編成はダイヤ改正で大宮所属に

 

このことから導き出される結論は至って単純、OM編成とB編成の共通運用化が図られることとなりました。

 

話をダイヤ改正前に戻しましょう。OM編成とB編成を共通運用化するためには、グリーン車の組換えのほかに、OM編成の向きをB編成と揃える必要がありました。元を辿れば同じ新前橋所属のOM編成とB編成ですが、B編成が田町に転属した際に向きが変わったため、このような作業が必要となったわけです。

 

編成組換えは大宮総合車両センターで、方向転換は大宮支線・別所連絡線・武蔵野線のデルタ線を使用して行うわけですが、当然ダイヤ改正前夜に一気に組換えを行うことは不可能です。ということで、前日のあかぎ1・5・12・13号は組換え済みの編成が使用されることになっていました。ただ、それ以外の列車(昼間の草津とか)は全て組換え前の編成(=OM編成)を使うことになるため、改正前日からB編成をあかぎに突っ込む必要性がありました。

 

とは言えど、B編成もB編成で東海道側の運用がある上に、改正当日の東大宮操出庫の運用も持たなければならないため、改正前日のあかぎに回せる編成数は限られていました。そこで、改正に先立ってOM05編成とOM07編成が組換えと方向転換を行い、改正前日から運用に入りました。改正前夜のあかぎの充当編成は以下の通りです。

 

2013年3月15日

4001M  特急 あかぎ1号:OM05+OM07

4003M  特急 あかぎ3号:OM0* OM09(組換え未施工)※

4005M  特急 あかぎ5号:B5

4007M  特急 あかぎ7号:設定なし(土休日のみ)

4009M  特急 あかぎ9号:A編成

4011M  特急 あかぎ11号:OM01(組換え未施工)

4013M  特急 あかぎ13号:OM07

 

4010M  特急 あかぎ10号:OM0* OM09(組換え未施工)※

4012M  特急 あかぎ12号:OM07

 

これで、OM01・OM05・B5の3本が新前橋に、OM07が高崎にいる状態となります。翌日の上り列車を賄うのに必要な編成数は3本(あかぎ4号・あかぎ6号・草津2号)なので、OM05・OM07・B5をそれぞれ充てればいいことになります。組換えと方向転換をしていないOM01は、回送で東大宮に戻せばいいわけです(回送ならグリーン車の位置と向きが違っていても問題ないので)。

 

※補足

・4003Mで下った編成は回送で東大宮操に戻るので、OM04・06・09のどれかだったと推測されます(もし情報お持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教授いただけますと幸いです)。

【4/10 追記】

3月15日の4003MはOM09との情報をいただきました。

また、その他の運用につきましても、

3002M:OM04(回3052Mまで・以降はB5)

3973M~3623M:OM06

との情報をいただいております。ご教授ありがとうございました。

 

・4010Mに入った編成は、所定では上野到着後折り返し4005Mになりますが、3月15日の4005Mは組換え済みの編成を充当することになっていたため、折り返しで4003Mに突っ込まれたものと推測されます。

・4003Mの前運用である3971MはB5編成が使用されたものと推測されます(鴻巣到着後回送で上野へ、折り返し4005Mへ)。

【4/10 追記】

2013年3月16日改正前は、所定で4010M→4003Mという流れだったようです。したがって、

4010M~4003M:OM09

3971M~4005M:B5

で確定となります。ご指摘ありがとうございました。

 

また、この日はOM編成3本(OM02・OM03・OM08)の疎開回送が運転されています。OM02編成とOM03編成は併結して東大宮操から田町へ回送され、OM08編成は定期運用を途中で切り上げ(※)、単独で田町へと向かいました。

 

※補足

・OM08編成の田町疎開にあたって、変則運用が組まれていたものと推測されます。

所定(回送は省略)

3001M~4010M~4005M → 3001M~4010M~4003M (4/10訂正)

4006M~3003M~3004M~3975M~4011M

3月15日

3001M~3004M~3975M~4011M …OM01

4006M~3003M~臨回(万座・鹿沢口→田町) …OM08

4010M~4005M 4010M~4003M(4/10訂正)充当編成が不足するので、OM04・OM06・ OM09 のどれかが臨回で送り込まれたと推測されます。

 

だいぶ話が散らかってしまいましたが、これでダイヤ改正に向けての全ての準備が整いました。それでは、ダイヤ改正当日の動きを見ていきましょう。

 


 

2.2013年3月16日改正

遂に迎えたダイヤ改正当日。東海道口では東京発伊東行きの185系普通列車521Mが廃止になったのが最大のトピックといったところで、この時点ではあまり大きな変化は見られませんでした。

 

大変貌を遂げたのは上野口の列車。組換え済みのOM編成が2本しかいませんので、前日までOM編成だらけだったところが、いきなりB編成だらけの状態になったのでした。当日の朝の写真が少しだけありますので、ちょっと振り返ってみましょう。

 

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まずは改正当日の4004M(特急 あかぎ4号)。前日の4001Mで新前橋に入庫したOM05編成が充当されました。この写真だとわからないですが、既にグリーン車は4号車に組み替えられています。

 

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続いて3031M(特急 草津31号)。この日から大宮所属になったB3編成が充当されました。このダイヤ改正に合わせて、B編成は新デザインの草津・あかぎ等が収録された幕に交換されました。湘南ブロックとこの草津幕の組み合わせには、強烈な違和感を覚えたものです。

 

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ちなみに、OM編成の幕も更新され、側面が旧田町車に準じたデザインになっています。

 

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従来の側面幕がこちら。指定席・自由席の表記の追加が一番目に付きますが、万座・鹿沢口の表記も地味に変わっています。座と鹿の間の点が1文字分になったり、英語が全部大文字になったり、ManzaとKazawaguchiの間の点がなくなったり…。

 

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こちらはダイヤ改正で新設された回3131M。前日の国府津停泊編成を東大宮操に返却する列車です。改正初日はB6編成が充当されました。回3131Mを名乗るのは土曜と日曜以外の祝日のみで、それ以外の日は湘南ライナーだったり踊り子に充当されるため、列番も時刻も経路も変わります。

 

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そして4006M(特急 あかぎ6号)。前日の4013Mで高崎に入庫したOM07編成が充当されました。この写真ならグリーン車が4号車に組み替えられているのがおわかりいただけると思います。

 

どうやらこの時間で撤収したようで、これ以降の写真はないのですが、改正初日の運用は以下の通りでした。

 

2013.3.16

〇下り(上野発車順)

特急 草津31号:B3

特急 草津1号:OM05

特急 草津83号:B1

特急 草津3号:OM07

特急 あかぎ1号:B5+B2

特急 あかぎ3号:OM07

 

〇上り(上野到着順)

特急 あかぎ4号:OM05

特急 あかぎ6号:OM07

特急 草津2号:B5

特急 草津32号:B3

特急 草津84号:B1

特急 草津4号:OM07

 

早速B編成+B編成が実現しています。上野口は前日とは様変わりしたことがおわかりいただけると思います。

 

ところで、B編成が北関東を縦横無尽に駆け回り始めた頃、OM05・OM07以外のOM編成は何をしていたのかと言いますと…、

 

OM編成の動き

OM01:回送(新前橋→東大宮操)

OM02:田町(疎開

OM03:田町(疎開

OM04:大宮総合車両センター入場

OM05:運用入り

OM06:東大宮

OM07:運用入り

OM08:田町(疎開

OM09:乗務員訓練?

 

こんな状態でした。

 

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OM04編成は改正当日に大宮に入場したものの、編成組換えは行わずに出場し、3月下旬にお召列車の予備編成に使用されています。OM09編成はしばらく武蔵野線内の試運転(乗務員訓練?)に使用されていました。

 

改正からしばらくは、運用入りできる7連がB編成7本に対してOM編成2本という状態が続きましたが、じわじわとOM編成の組換え・方向転換が行われ、最終的には形勢逆転することになります。結局のところ、B編成はOM編成が作業を終えるまでのつなぎを務めたというわけです。

 

ところで、OM編成とB編成が共通運用になったということは、OM編成が東海道線に入るということも意味するわけですが、これはもう少し先の話になります。

 


 

この後、OM編成は定期運用に復帰し、B編成は定期運用を離れて別の道へ向かうわけですが(それぞれ1本を除き…)、だいぶ記事が長くなってしまったので、次回に続く…、という形で今回は締めさせていただきたいと思います。

 

つづく