前回の記事の続きです。
ラストは10月~12月の振り返り。長くなりそうですが、最後までお楽しみいただければ幸いです。
さて、いわゆる「第二波」を脱却し、全国の新規感染者数も500人前後で推移していた10月。キャンペーン開始時は対象除外となっていた東京発着のGoToトラベルキャンペーンも10月1日から解禁となり、9月と同様に浮かれに浮かれていた月でした。
最初の話題はレール臨貨。2020年はこれまで東京タ行きの臨貨しか運転されていませんでしたが、10月に入ってからは関東各地の貨物駅に向けての業務レール輸送が開始されました。1発目は10月3日に発送された隅田川・熊谷貨物ターミナル行きの臨貨。同日の5972列車で川崎貨物に向かい、1日空いて5日の8795列車で熊谷タへ。熊谷タ行きのチキ4車を切り落とし、最後は6日の配8790列車で残りのチキ2車が隅田川へと向かいました。
こちらは15日に運転された隅田川行きチキの返空、8794列車で熊谷タから川崎貨物へと向かう場面です。かつては配6794を名乗っていたこの列車ですが、2020年のダイヤ改正から8794列車という石油列車に姿を変えました。ということで、後ろにくっついているタキは石油便の返空です。
配6794列車と対になる配6795列車も8795列車という石油便に姿を変えました。こちらは編成の最後尾に越谷タ行きのレール臨貨が連結されています。配給列車時代はレール臨貨連結日に他の貨車が連結することは基本的になかったので、なんとも違和感を覚える光景です。
その後もそこそこの頻度で走っていたレール臨貨。11月には5年ぶりの運転となる宇都宮タ行きのレール臨貨も運転されました。国鉄色リメイクもかなり進み、遂に「更新色だから」という理由で撮影に出向く時代が来てしまいました。
こちらは配8593列車に連結されて隅田川から宇都宮タに向かう場面。まさかの更新色リレーと相成りました。このあと久喜駅付近の変電所トラブルに巻き込まれ、田端で6時間の抑止を食らうことになります。
続いては工臨の話題。10月はPトップことEF65 501が高崎操工臨の牽引を受け持ち、2回ほど首都圏へ顔を出しました。
今のところ10月の高崎操工臨が最後の工臨充当となっている501号機。不穏な噂も聞こえる今日この頃ですが、果たして…。
そして23日には2020年のハイライト、只見工臨が運転されました。2019年に続いて3度目の運転となった越中島発の只見工臨。前回の運転時は戦線離脱していたDE10 1680が復活を果たし、長岡DE10のプッシュプル運転が実現しました。
また、前回は工事による通行止めで到達できなかった田子倉界隈も解禁。完全に色付くところまではいきませんでしたが、なかなか季節感のある写真が撮れたと思います。
越中島発着では恐らく唯一のクレーン荷役となる只見駅の取卸しももちろん撮影。中之条は灼熱地獄でしたが、こちらは土砂降り地獄。まあ、それでもいいもん見れたなと。
今年の7月にキハ40からキハ110への置き換えが行われた只見線。この光景も最初で最後でしょうか。
返空までしっかり撮って〆。
翌日は只見東線の方にも足を伸ばしてみました。風っこもこれが初撮影となりました。
続いてはキヤの話題。10月15日にLT-1編成が2度目の東京レールセンター入線。
今回は荷台に150Mレールが1本積載されました。
ロンキヤとロンチキが混在する越中島貨物駅。こんな光景がしばらく見られるのかと思いましたが、この直後に越中島ロンチキに大きな変化が生じることとなります。
LT-1編成が2度目の東京レールセンター入線を果たした15日、公式試運転でトラブルを起こしたST-8編成のリベンジ試運転が行われました。後ろのくっついているのはST-13編成。速攻で測定車を解任された編成と、いきなり測定車の座が巡ってきた編成の併結です。
そんなST-13編成ですが、量産先行車のST-1編成と併結して留置されているシーンも見ることができました。このまま走ったら発狂だったんですけどね…。
そして10月も終わろうとしていた頃、越中島のロンチキに大きな変化が生じることになります。
10月29日、ロンチキC編成が越中島貨物駅を旅立ちました。
「C」と書かれた編成表記が消され…、
側面には「仙セン」「岩切駅常備」の文字。
鳶色の車体が特徴だった先代の岩切ロンチキが10月に廃車になりまして、ロンチキC編成が新ロンチキ岩切編成として仙台に転属することとなったのでした。
新小岩からはEF81 81に牽引され、遠く離れた岩切へと旅立っていきました。
その他の話題だと、今年はカヤ27を使用した訓練、通称「黒磯訓練」がそこそこの頻度で運転されていました。EL全廃なんてワードもちらほらと耳にするようになりましたが、ELがバンバン検査を通ったり、こういった訓練列車が運転されている現状を見る限りでは、完全な淘汰まではもう少し時間がかかりそうですね。
さて、10月ラストは京王の話題。例年2月にダイヤ改正を行っている京王電鉄ですが、新型コロナウイルス感染症で社会情勢が大きく変化したことを受け、10月30日に「ダイヤ修正」という形で列車の増発・減便・時刻や種別の変更が行われました。また、2021年に予定されている各社の終電繰り上げを前に、一足早く深夜帯の列車にテコ入れが図られまして、当ブログではすっかりおなじみ(?)の4100列車が廃止となったのでした。
最終日は8726Fが登板。4100レ仲間(?)と2人で見送った、静かな幕切れでした。
ちなみにその前日には9704F、
さらにその前日には7421F+7709Fが登板。最後の3日間に3形式が登板するという、涙なしには語れない展開となりました。
1月の振り返りで「今年はさほど大きな動きはなかった」と書きましたが、9月1日に9703Fの前照灯が白色LEDに換装されるという大事件が発生。その後もじわじわと換装が進んでいき、先日0番台全編成の交換が完了したようです。一方の30番台は、今のところ換装された編成は出ていませんが、こちらもそのうち白色LEDになる日が来るのでしょうかね…。
続いて11月。500人前後で推移していた新規感染者数が右肩上がりに転じ、あっという間に4桁台へ到達。「第三波」というワードがちらつき始めます。
11月の1発目はロンキヤ。10月15日に東京レールセンターへやって来たLT-1編成が11月2日にご帰還。着発線の脇には重機の姿が。東京レールセンターのクレーン更新工事が始まりました。
東京レールセンターに併設された東京資材センターにはロンチキの器具が。最初はあまり気にしていなかったのですが、来る度にどんどん増えていくので、こりゃただごとじゃねえなと。
その2日後の11月4日、尾久キヤ第二陣となるST-14~17編成の公式試運転が行われました。第二陣は4編成、真ん中に測定車のST-13編成を挟む形での運転となりました。復路の写真?知らん。
一方の第一陣は各地での訓練をスタート。このST-10編成は長野地区での訓練に使用されました。当初はST-12編成が長野に向かったのですが、何やらトラブルが生じたようで、10月23日にEF64 1032に牽かれて無念の尾久帰還。代わりにST-10編成が長野へと向かったのでした。
そして11月26日には尾久キヤ第三陣となるST-18~21編成が到着。第二陣は国鉄特急色の2065号機が牽引を務めましたが、第三陣は再び2127号機が登板となりました。
東北本線久喜駅付近の変電所トラブルで抑止された列車たちを横目に入区。なんとも凄まじい光景です。奇しくもこの日から小牛田のキヤE195系が運用を開始しまして、東北地区のレール輸送は一足早く新時代を迎えたのでした。
第三陣到着の翌日、LT-1編成は再び越中島貨物駅からお帰り。11月12日に3度目の東京レールセンター入線、2週間ほど滞在しての帰還となりました。
その脇ではクレーンの解体工事が絶賛進行中…。
クレーンもなぎ倒され、なんとも異様な光景が広がっていました。
器具の載った貨車も随分と少なくなっていました。
続いて工臨の話題…、って言っておきながら写真は思いっきり貨物列車なんですけれども。11月6日、約1年半ぶりに横浜支社向けの砕石輸送が運転されました。EF65 2050が宇都宮タから新鶴見まで牽引し…、
川崎貨物からは田端のEF65 1104に牽引機が変わり、東高島に到着。宇都宮タ~川崎貨物間はJR貨物に輸送を委託するという、不思議な運行形態になっています。
このあ7日から8日にかけて東京タ転回の砕石工臨が運転され、13日から14日にかけて再び旅客PFから貨物PFのリレーで宇都宮タへと返却されています。
11月19日には約2年ぶりに新小岩でレール輸送と砕石輸送が並びました。手前が田端操行きのチキ6車、奥が銚子転回のホキ6車です。
チキとホキ、長らく機関車牽引方式で運転されてきた工臨の最後の輝きを垣間見たように思います。
そんな中で、チキの終焉が垣間見えるような話題も。
11月9日には、もとロンチキA編成の10両と予備車の2両が貨車上の器具を撤去した上で田端に疎開。カーブの先から現れたこの異様な見た目の編成に驚いたものです。
A編成の疎開に先立ち、B編成の8両も11月4日に田端へ疎開していました。こちらは8両のうち4両が器具を取り外された状態。これもこれで異様な見た目の編成です。そして27日に越中島へと返却され、器具の残っていた4両もフラット状態になってしまいました。
さて、11月の最後は中央線の話題を。
「東京アドベンチャーライン」ラッピング編成の青463編成が、期間限定で青梅線以外の線区を走行するというキャンペーンが行われました。ジェネリック赤1000とか言うな。
最後に12月です。数字だけ見れば第一波、第二波なんて比べ物にならないレベルの新規感染者が飛び出し続けており、真っ先に槍玉に挙げられたGoToトラベルキャンペーンは年末年始の全国一斉停止が決定。思うところが色々とあった1ヶ月でしたが、別にここは政治のブログではないので、それは置いておきまして…。
先代の岩切ロンチキ廃車や越中島ロンチキの疎開など、暗い話題が続きましたが、12月はちょっぴり明るい話題からスタート。田端のEF65 1102が全般検査を受けまして、11月25日に秋田総合車両センターを出場。12月1日に白岡往復の試運転、通称「白岡試単」を行いました。
ピッカピカの床下に感激したものです。
出場後1発目の牽引仕業は7日の東高島工臨。工臨の方は撮れなかったので、翌日の単回を撮っていました。
1102号機が試運転を行った12月1日、同僚の1115号機はEF81 80に牽かれて秋田へ。ここにきてまさかの全検入場となりました。
そんな中、チキの淘汰は着実に進んでいきます。12月8日にはもとロンチキB編成の4両とチキ6000形6両の計10両が郡山へ。
ちょこちょこと廃車の出ていた越中島貨物駅常備のチキですが、年の瀬に10両が一気に鬼籍入りとなりました。
新小岩からはEF81 95が登板。貨車上の器具は全て撤去されていますので、こうして見ると本当にただの黒い板です。
年内の工臨の発送は12月10日の佐倉工臨で終了。このあと相模貨物行きの臨貨が発送され、12月26日の東高島工臨返空をもって年内の越中島発着列車は終了となりました。
一方のキヤは、12月中旬にST-1編成とST-17編成が併結して試運転を実施。量産先行車と量産車の併結運転はこれが初めてとなりました。
その後は同編成を使用しての訓練が田端運転所内でも行われていました。
レール輸送とはあまり関係ないですが、レール輸送がよく通る路線ということで、新金線の線路切替工事区間を見に行ったりもしました。
小松川街道踏切付近から新堀踏切付近までの区間が新線に移行。12月28日の夜から29日の朝にかけて切替工事が行われ、工事終了後はEF81 81が切替区間を2往復する試運転を行いました。
そして2020年の〆は、今年幾度となく訪れた越中島貨物駅。従来使用されてきたクレーンの解体工事が完了し、構内ががらんとしていました。来年にはどんな姿になっているのでしょうか。楽しみですね。
さて、2020年の振り返りを長々と書いてきました。趣味だけでなく個人的なことも今年は色々ありまして、今年の1月からは想像もできないような状態になっているわけですが、まずは無事にこの大晦日を迎えられたことに感謝ですね。
趣味的な話では、チキからキヤへの移行が大きく進んだ1年でした。レール輸送の歴史に残る1年だったことは間違いありません。そんな歴史的瞬間の数々をこの目で見てこられたことを、レール輸送ファンの1人としてとても光栄に思います。今年は京王鉄じゃなくてちゃんとレール輸送のブログっぽくできたのもよかったです。
来年もきっとたくさんの変化が起きる年になることでしょう。コロナの先行きも見通せませんが、まずは健康第一で、頑張っていきましょう。
これで年内の更新は終了となります。今年1年れーるノートをご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。良いお年をお迎えください。