れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

2021/3/22 上沼垂工臨・試9833D

月曜日の分になります。

 

まずは新小岩信号所へ。

 

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工7230D 上沼垂工臨  キヤE195系ST-16+ST-17編成 新小岩

 

越中島貨物線の午前便が到着です。キヤE195系の運用が開始して初めての新潟支社向けレール輸送が運転されました。前が宮内行きのST-16編成、後ろが東三条行きのST-17編成です。編成の長さはDE10+チキ4車とほぼ同じなのですが、最後尾にも運転台があるからなのか、なんともバランスの悪い1枚になりました。

 

チキ車時代の新潟支社向けの定尺レール輸送は、複数の行き先分をまとめて一旦新津まで持っていき、そこから各地へ輸送されていくという方式で運転されてきました。キヤE195系導入に伴い輸送形態が変化した支社もありますが、新潟支社に関してはチキ車時代の輸送形態が引き継がれることになったようです。ただし、拠点が新津からさらに先の上沼垂(新潟車両センター)に変更となったため、「新津工臨」の愛称は消滅となります。

 

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荷票はこの2枚。輸送先が異なるので、輸送番号も別々に設定されています。レールの本数は偶然にも同じ44本でした。行き先が書かれなくなったのでこの工臨を何と呼べばいいのか悩ましいところですが、とりあえずこのブログでは「上沼垂工臨」と呼ぶことにします。

 

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発車まで見送って新小岩からは撤収。赤羽駅に向かいます。

 

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工9513D 上沼垂工臨  キヤE195系ST-17+ST-16編成 赤羽

 

真昼間の赤羽駅工臨が登場です。なんとも異様な光景ですが、この正体は先ほど撮った上沼垂工臨です。新小岩信号所を出た上沼垂工臨金町駅で折り返して田端信号所を通り、東北貨物線経由で大宮へと向かっていきます。そのため、先程とは編成の向きが変わり、ST-17編成が先頭になっています。

 

チキ車時代は大宮方面に向かう大半の列車が新金線~常磐線武蔵野線東北貨物線というルートで走行していましたが、キヤE195系の導入に伴い運転経路が変更になりました。どうやら編成の向きが関係しているようですね。

 

この後は高崎線を北上し、やって来たのは本庄駅

 

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工9733D 上沼垂工臨  キヤE195系ST-17+ST-18編成 本庄

 

2番線に停車中のGV-E197系をキヤE195系が追い越していきます。レール輸送用新型気動車と新型砕石輸送気動車がホームを挟んで並ぶ、激アツな光景が繰り広げられました。GV-E197系の運用が開始されてもなかなか見られない並びなんじゃないでしょうか。

 

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いいもん見れました。

 

工臨の追っかけはここで終了。そのうち高崎から先の区間も撮りに行ってみたいものですね。

 

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試9833D GV-E197系TS-01編成 本庄

 

で、せっかくなので今回はGV-E197系の方を観察してきました。なんだかんだでこれが初撮影となりました。

 

JR東日本が2021年1月19日付のプレスリリースで導入を発表した新型砕石輸送気動車GV-E197系。機関車と砕石用貨車(ホキ)を用いて行われてきたバラスト輸送の置き換えを目的として、まずは量産先行車のTS-01編成が高崎車両センターに配置されました。既に運用が開始されているレール輸送用新型気動車キヤE195系のバラスト輸送版といったところで、やはり編成の両端に運転台を設けることによる入換作業の効率化がメリットとして挙げられています。ただし、キヤE195系が純粋な気動車である一方、GV-E197系は電気式気動車なので、電車の免許のみを持っている乗務員でも条件付きで(エンジン等に関する教育を受けた上で)運転することができるという独自のメリットもあるようです。

 

また、運転台と荷台が一体となっているキヤE195系とは異なり、GV-E197系はGV-E197形という牽引車でGV-E196形というホッパ車を挟むという編成になっています。ホッパ車は構造が特殊なので、キヤのように運転台と一体化することは難しいのだと思われます。両数もそれなりに必要ですしね。

 

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牽引車のGV-E197形はこんな顔をしています。なんとなく201系や205系あたりを彷彿とさせる国鉄チックな顔立ちです。車両の両端に運転台が付いており、牽引車単独での走行も可能となっています。

 

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両エンドに双頭連結器を装備していることも大きな特徴として挙げられます。これは非電化区間での入換や回送を牽引することも想定しているためで、将来的にはホッパ車以外のものを牽く姿も見られるようになりそうです。

 

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顔の上にはキヤE195系と同じく保守用車標識灯が設置されています。こちらも保守用車としての走行が可能になっているようですが、現在の砕石輸送の運行形態を見る限りではキヤE195系ほど使用する場面は多くないような気がします。

 

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続いてホッパ車のGV-E196形。パッと見は白いホキ800形といったところです。

 

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ただし、車体長が従来のホキ800形より3mほど長くなっており、デッキの部分に諸々の機器類が設置されています。

 

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こちらは従来のホキ800形にも見られるハンドルとレバー。ハンドルを回すとホッパ(砕石の貯蔵槽)の底が開き、砕石が軌道上に散布されます。

 

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レバーは砕石がホッパから落下する際に転がっていく部分(落し板)の向きを変えることができるもので、これを調節することで軌間内外への散布が可能となっています。ホキ800形の特長をこのGV-E196形もしっかりと引き継いでいるようです。

 

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比較用にホキ800形の写真も。基本的な構造はホキ800形もGV-E196形も同じで、後者は諸々の機器が搭載されたホキの進化版といったところでしょうか。

 

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ちなみに連結器は密着連結器です。密連を装備した貨車ってのは初めて見ました。

 

以上、新型砕石輸送気動車GV-E197系の簡単なご紹介でした。C97で頒布した『臨時工事列車 Vol.2』で砕石輸送のことを取り上げたので、このGV-E197系関連の記事も書いてみたいなと思っているところなのですが、如何せん次のコミケがいつ開催されるのかわからない状況なので、まあのんびりと準備していこうと思っております。

 

以上です。