先週の月曜日の分になります。
2021年10月1日をもって定期運行を終了したE4系Max。乗り納めは済ませていましたが、引退前にもう一度見ておこうと思い撮影に出向きました。
やって来たのは東京駅。既にMaxとき・たにがわ321号の表示が出ていました。
Multi Amenity eXpress、略して「Max」。JR東日本の2階建て新幹線、E1系とE4系に付与された愛称です。通勤・通学利用客増加への切り札として登場したのがオール2階建て新幹線「Max」でした。
1994年に登場した初代Max E1系。12両編成で運用され、その定員数は1235人。当時東北新幹線で使用されていた200系16両編成をも凌ぐ輸送力でした。
通勤時間帯にはその性能を遺憾なく発揮していたE1系ですが、12両固定編成という性質上、通勤時間帯以外では輸送力が過剰気味になることも多かったそう。また、主戦場たる通勤時間帯においても輸送力が満足に確保できていたかというと、そうとも言えなかったというのです。
このような背景から誕生したのが2代目Max E4系です。8両編成を基本とし、通勤時間帯には2編成を併結した8両+8両の16両編成での運転を行うことで、需要に合わせたフレキシブルな運用が可能となりました。8両編成を2本併結した際の定員数は1634人、高速鉄道としては世界最多を誇ることはあまりにも有名な話です。
E4系同士の併結のほか、山形新幹線に直通する400系・E3系との併結運転も行うなど、実に器用な新幹線車両でした。
晩年は東北新幹線のスピードアップに伴い上越新幹線専属となったE4系。車体色も白・黄・青の3色から「朱鷺色」に改められ、「Maxとき」「Maxたにがわ」として今日まで活躍してきました。
上越新幹線専属となってから「朱鷺色」になるまでの間は、シンボルの1つであった巨大な「Max」のロゴに3羽の朱鷺が追加された姿を見ることができました。
そんなE4系も時代の波には逆らえず、E5系の登場で余剰となったE2系の上越新幹線転入を皮切りに、徐々に本数を減らしていきます。
さらに追い打ちをかけるように、最新鋭車両E7系の上越新幹線投入が決定。2019年の台風19号によるE7系・W7系浸水被害の影響で引退が先送りになったものの、とうとうお別れの時がやって来たのでした。
さて、話を戻しまして…、
2316C Maxとき・たにがわ316号 東京 E4系P11+P17編成 東京
Maxとき・たにがわ316号が到着。21番線にゆっくりと進入してきます。
8両+8両の16両編成、かつてはラッシュ時を中心にその威力を発揮してきたことと思いますが、末期は上下合わせて2往復のみの運転となってしまいました。
側面にあしらわれた3匹の朱鷺、その上には「Thank You Max!」「SAYONARA E4 LAST RUN 2021」と記されたステッカーが貼り付けられていました。
運転台側にはラストランロゴも貼り付けられていました。
そして1番写真に収めておきたかった「2階建て16両編成」の表示。世界最多の輸送力を誇った編成もこれにて見納めです。
2410C Maxたにがわ410号 東京 E4系P14編成 東京
続いて越後湯沢からのMaxたにがわ410号を。車体の巨大さもさることながら、この独特な顔つきも大きな特徴の1つでした。
時代が進むごとにどんどんスタイリッシュになっていく新幹線車両ですが、自分はこの顔もなかなか好きでした。格好良さとはまた違った魅力を感じます。
そしてこの壁のような圧倒的な存在感。乗るときは決まって2階席でしたが、ホームすれすれの1階席からの眺めも見てみたかったなと今になって思います。
しばらく停車したのち、回送列車として出発。これがE4系最後の撮影となりました。
輸送力増強の切り札として登場したE4系。その巨大な車体と独特の風貌はインパクト抜群で、「Max」の愛称と共に多くの人々に親しまれてきたことと思います。スピードアップ=サービスアップになりつつあるこのご時世、日本一足が遅い新幹線となってしまったE4系の引退は当然の流れと言えるでしょう。
しかしながら、他の新幹線にはない2階席からの眺めには、よく新幹線に足りないと評される旅情を感じさせるものがあったと思います。速さが売りの新幹線にも、かつてはこんな車両がいたんだということを、いつまでも忘れずにいたいものですね。
このあとE4系は「サンキューMAXとき&やまびこ」「サンキューMAXとき」として特別運行を行いまして、これが正真正銘のラストランとなります。無事にフィナーレを迎えられることを願いつつ、この記事はここで終わります。
Thank you! Max!
1997.12.20~2021.10.1