Part1の続きです。
館内を一通り回った後は屋外へ。前回の訪問時にあまり見られなかった梅小路蒸気機関車館をじっくりと見てきました。
まずは上から転車台と扇形車庫の全景を。車庫の外に出ている面々が微妙に変わっています。確か前回はC61 2の横にC62 2がいたはず…、
…、なんて考えていたらちょうど「SLスチーム号」が帰ってきました。牽引機は前回と同じくC56 160ですが、ヘッドマークが変わっています。
7月16日から9月25日にかけてイベント「きかんしゃトーマスとなかまたち in 京都鉄道博物館」が開催されていまして、それに合わせてSLスチーム号のヘッドマークもトーマス仕様になっていました。
さて、SLスチーム号以外の面々はと言いますと…、
まず目を引くのがC61形2号機。1948年に製造された大型蒸機で、日本で初めて自動給炭機が採用された機関車として知られています。このC61形2号機もSLスチーム号の牽引機として活躍していたのですが、2018年に入換中の脱線に見舞われて現在は運用離脱中とのことです。
その隣に展示されているのが1070形1080号機。1901年にイギリスで製造された歴史ある機関車です。厳密にいうとイギリス製の6200形という蒸気機関車を改造したものらしいのですが、如何せん古すぎてどこをどう改造したのかさっぱりわかりません。
ところで、前回はC61 2の横に「スワローエンゼル」ことC62形2号機が展示されていたのですが…、
この日はSL第2検修庫で整備中でした。これはこれでなかなか貴重な光景なのではないでしょうか。
ちなみにC62 2の炭水車は扇形車庫に留置されていました。これもまた貴重な光景だと思われます。
その脇にはこんなものも。どの機関車のものなんでしょう…。
そして前回はいなかったこんな車両の姿もありました。マイテ49 2、1938年に製造された1等展望車です。特急「富士」「はと」「つばめ」などに使用された極めて貴重な客車です。車籍もまだ残っているということですが、なぜ京都鉄道博物館にやって来たのかは今のところ不明となっています。
一番右端にはB20形10号機の姿が。オハフ50 68と連結した状態で展示されていました。B20形は1946年に製造された入換用の小型蒸機です。大型蒸機揃いの梅小路蒸気機関車館でマスコットキャラ的な人気を博しているとかなんとか。
…、とまあ本当に色々な機関車が保存されているわけですが、個人的な推しはやはりこの機関車です。
C51形239号機。1927年に製造された中型蒸機で、超特急「燕」の牽引機を務めたことで有名です。「燕」の牽引機として活躍したのは1930年から1934年までの5年間で、その後は後発の機関車に後を託して地方幹線へ転用されています。
そんなC51形の239号機はお召し列車専用機に指定されており、1953年までに全104回の牽引実績を誇る名機であります。
前面には菊花紋章、除煙板には鳳凰の装飾。2019年に再整備がなされ、美しいお召し装備が蘇りました。
機関室もじっくりと見てきました。
「凛々しい」の一言に尽きますね。末永く保存されてほしいものです。
さて、気付けば時刻は16時15分。SLスチーム号の入庫のお時間です。
まずは到着シーンを上から。
引いてもう1枚。夏休み真っ只中ということで客車も満員ですね。
で、到着するや否や客車を切り離して転車台へ。やはり思ったより多く回ります。
こちらは切り離された客車。足回りはチキ5200形(チキ5238・5239)が種車になっているという噂がありますが、果たして真相は…?
で、給炭・給水作業。前回とは逆サイドから撮ってみました。
再び転車台に進入してぐるぐる。やはり多めに回ります。
最後はバックで扇形車庫へ。翌日の運転に備えます。
ところで…、
これは本当に余談ですが、転車台周辺の留置線に50Nレールと30Aレールを異種継目板で接続している箇所があります。前回見つけられなくて、今回ようやく見つけることができました。こんな繋ぎ方で大丈夫なのか…?って感じですが、本当に車止めギリギリの部分なので車両が実際に走行することはまずないと思われます。
さて、最後に今回の訪問の最大の目玉、特別展示の様子をご紹介してこの記事を終わりにします。
「オヤ31形31号車」特別展示です。
京都鉄道博物館ではJR西日本の営業線とつながった【車両工場】エリアで様々な車両を展示しているわけですが、7月26日から8月14日までの期間は建築限界測定車オヤ31 31が展示されていました。
これがオヤ31 31です。普段は網干総合車両所宮原支所に留置されている車両で、扇形車庫で展示されていたマイテ49 2と共に京都鉄道博物館にやって来ました。
言うまでもなくたいへんに貴重な車両です。そもそも7両しか製造(改造)されておらず、現在も稼働できるのはこのオヤ31 31のみ。保存されている車両もリニア・鉄道館のオヤ31 12のみで、残りの5両は全て解体されたそうです。
そんなオヤ31の最大の特徴がこの矢羽根。建築限界測定のための測定装置で、この矢羽根に触れたものは建築限界に抵触している支障物ということになります。なんともアナログな検測方法です。
矢羽根を開いた姿が花魁のかんざしに見えることから、「おいらん車」の愛称で親しまれているそうです。
個人的には花魁というよりウニ…
車籍もしっかりと残っており、2018年には検査も受けている「現役車両」ではありますが、測定車として使用されることは今後あるのでしょうか…?
…、と考えているうちに閉館の時間。結局今回も閉館まで滞在したわけですが、まだまだ見どころはありそうです。また近いうちに訪問できればなと思います。
以上、再訪・京都鉄道博物館 でした。