れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

惜別 OM08編成

2023年1月18日、185系OM08編成が長野へと旅立ちました。

 

長らくこのブログを見てくださっている方はご存知かもしれませんが、開設当時のメインの被写体はレール輸送でもいずっぱこでもなく、185系でした。そして185系を追いかける中で最も強く心惹かれ、特別な存在となっていたのがOM08編成でした。

 

そんな特別な編成の思い出話を少しだけ書き残しておきます。

 


 

1982年6月、東北新幹線上野開業までの暫定措置として運行が開始された「新幹線リレー号」用の増備編成としてOM08編成は誕生しました。当時の編成名はOM08ではなくS227+S228で、新前橋電車区に配置されました。

 

それから3年ほどで東北新幹線が上野まで延伸し、新幹線リレー号としての活躍を終えた185系は首都圏を発着する「新特急」に転用されました。余剰となった編成は田町電車区に転属となりましたが、S227+S228編成は他の8編成とともに新前橋に残留。この9編成が2006年に大宮総合車両センターに転属し、OM01~OM09編成となりました。

 

そんなOM編成グループの1編成として活躍してきたOM08編成に転機が訪れたのは2012年のこと。群馬デスティネーションキャンペーン終了後の群馬エリアに話題性のある電車で引き続きの集客を、ということでOM08編成が157系風の国鉄特急色に塗装変更されました。

 

157系の代表列車「あまぎ」を拝して「あまぎ色」と呼ばれるようになったOM08編成。かつて 特急=クリーム4号+赤2号 だった時代にクリーム10号+緑14号の斜めストライプというあまりにも斬新なスタイルで新たな風を吹き込んだ185系が巡り巡って国鉄特急色を纏うという、歴史的に見ても興味深い塗装変更となりました。

 

そんな「あまぎ色」のOM08編成を初めて見たのは塗装変更から1ヶ月後のこと。当時の第一印象は「なんだこれ??」でした。

 

その後、同年6月にスカートが灰色に塗装され、より157系に近いイメージとなりました。塗装変更直後に運行された「上州踊り子」「あまぎ」に加え、「そよかぜ」「湘南日光」など様々なイベント列車に使用されました。最初こそ強烈な違和感を覚えたものの、スカートが灰色になったあたりからだんだんとOM08編成の虜になっていきます。

 

そして2013年3月、OM08編成をはじめとするOM編成に大きな転機が訪れます。185系大宮総合車両センター集中配置に伴うB編成とOM編成の共通運用化です。OM08編成は南関東に活躍の場を広げ、「踊り子」「湘南ライナー」幕を掲げて東海道を爆走する姿を見られるようになりました。

 

翌年の2014年3月に「草津」「あかぎ」が651系に置き換えられた際も東海道運用は据え置きとなり、余剰となった編成が出た中でOM08編成は残留。まだしばらくはあまぎ色の185系の活躍が見られると思っていましたが…、

 

f:id:om08amagi:20200505070016j:plain現実はそう甘くありませんでした。2014年の「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」にて「185系全編成ストライプ化」計画がしれっとリークされ、「あまぎ色」のOM08編成に至っては名指しで余命宣告される始末。絶望しました。

 

翌2015年2月22日の臨時特急「はちおうじ踊り子」をもって「あまぎ色」での営業運転を終了したOM08編成は、リークの通り2月27日に大宮総合車両センターに入場。

 

斜めストライプに塗装変更され、運用に復帰しました。国鉄特急色こそ失ったものの、前面愛称幕の上下にあるヘッドマーク掛けが特別な編成だったという面影を残してくれていました。

 

それでも特別な編成であることの変わりはない!塗装が変わっても撮りに行くぞ!と宣言するのは簡単でしたが、結局のところほとんど撮りに行かず。それどころか、185系を撮る頻度自体も徐々に減っていきました。

 

そんな中で唯一印象に残っているのは2019年5月に運転された「なつかしの新特急なすの」。これが営業運転中のOM08編成を撮った最後の写真となってしまいました。

 

 

時は流れて2021年、首都圏最後の国鉄特急型となった185系にも終焉の時が訪れます。2021年3月のダイヤ改正をもって全運用がE257系に置き換えられ、185系の定期運用は消滅となりました。OM08編成は3月10日の踊り子14号をもって一足早く運用を離脱。ダイヤ改正を前にした3月12日に尾久車両センターへと疎開しました。

 

それからしばらくの間尾久車両センターに留置されていたOM08編成。後は廃車を待つのみ…、と思いましたが、2022年1月に開催された鉄道開業150周年記念「往年の名機、一堂に会す。」品川駅構内撮影会の参加者輸送という大役を任命され、再び「踊り子」幕を出す機会に恵まれました。その後もコロナ渦で主流となった有料撮影会に何度か出演し、往年の特急幕を掲出する姿が見られました。

 

 

そして迎えた2023年1月18日、長岡車両センターEF64 1030に牽引されてOM08編成は長野へと旅立ちました。

 

廃車回送すら見送りに行けませんでしたが、ふらっと訪れた長野総合車両センターで最後の1両となったサロ185-214の姿だけは見ることができました。

 

なんでもっと撮らなかったんだか…、と後悔するのは今に始まったことではないですが、最後の1両だけでも見届けられたのはよかったのかなと思います。

 

コンデジ片手に大宮駅を駆け回っていた頃を少しだけ思い出し、雨の長野総合車両センターを後にしました。

 


 

 

実車の世界では鬼籍入りとなったOM08編成。しかしながら…、

 

模型の世界では永遠に不滅です。天賞堂 55058 185系200番代『157系リバイバル国鉄特急色7両セット 買いました!!

 

1月20日の記事で「重大な案件」と言っていたのはこれの引き取りでした。線路も何もないままに買ったので、色々と教えてくれた長野の知人宅で開封。ライト点いた瞬間に泣きそうになりました。

 

先に購入していたTOMIXNゲージとも並べてみました。夢のような光景です。

 

奇しくも実車廃車回送が長野に到着した翌日の発売となったHO版OM08編成。実車を満足に撮り切れなかった分、模型の世界で存分に楽しみたいと思います。

 

 


 

ブログのidにする程に自分にとっての特別な存在であったOM08編成。

長らくの活躍、本当にお疲れさまでした。

 

Goodbye Forever OM08

1982.6~2023.1