れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

2025/2/8-9 羽田空港アクセス線工事区間・東京タ工臨など

2月8日から9日にかけての撮影分です。

 

この日は久々に東京貨物ターミナルへ。と言ってもいつもの大井中央陸橋ではなく、今回は構内の北側、大井北部陸橋へ。

 

いつもとは逆側から東京貨物ターミナルを望みます。奥のバラスト道床のエリアが現在使用されている東京貨物ターミナルの区画になります。その手前の区画には最近まで東海道貨物線の休止区間、いわゆる大汐線の架線柱が建っていましたが、現在は撤去されて何やら新しい線路が敷設されています。

 

この単線の線路は2031年度の開業が予定されている「羽田空港アクセス線(仮称)」の上り本線となる線路です。

 

2023年6月から本格的な工事が始まった羽田空港アクセス線田町駅から旧大汐線の既存設備を活用する形で東京貨物ターミナルへ。東京貨物ターミナルから先は新設区間となり、全長4.2kmのトンネルを抜けて羽田空港新駅に至る計画となっています。

 

既存設備が活用されることとなった大汐線は東海道貨物線東京貨物ターミナル駅汐留駅(1986年11月1日廃止)間の通称で、1998年1月に使用休止となっています。休止に際して架線等の設備は撤去されたものの、橋梁や高架橋などは残されたままとなっており、これらを改修した上で「東山手ルート」として使用されることとなりました。

 

東京貨物ターミナル構内では貨物駅の外周を沿うように線路が敷設され、構内の北側から長大トンネル区間に入ることになっています。また、構内のJR東日本保有用地を活用して車両留置線や保守基地も整備されることとなっています。

 

写真だけを見ると上り本線はほぼほぼ敷設が完了しているように見えますが、実は敷設されているのは写真で見える範囲まで。田町方面の線路は大井北部陸橋の手前で途切れています。

 

一方で保守基地は既に整備が完了しています。写真中央奥に見える水色の門型クレーンのあるエリアが新しい保守基地、「羽田新保守基地」となります。よく見るとクレーンの下にモーターカーがいます。

 

東京貨物ターミナルはもともと構内の南側に保守基地があり、いわゆる東京タ工臨のレール取卸し場所となっていました。現在どのような扱いになっているのか気になるところです。

 

さて、そんな羽田空港アクセス線ですが、上り本線となる線路と東京貨物ターミナル構内の線路が既に接続されています。

 

接続部分をよく見ると横取り装置が設置されています。横取り装置は主に保守用車を保線基地~本線間で行き来させるための装置で、線路の両脇に設置された横取材をレールに被せることで線路を分岐させることが可能となっています。通過可能な車両は貨車および保守用車ということで、現在この羽田空港アクセス線の上り本線に自力で入線できるのは保守用車のみとなっています。

 

ということで、これにて羽田空港アクセス線工事区間見学は終了。機会があればもう少し詳しく観察してみたいところです。

 

このあとは用事を済ませるためにバスで品川駅へ。

 

時間が少しあったので7日に発送されたST-15編成を見てきました。

 

今年既に4本目の発送となっている品川工臨。チキ車時代から変わらずの高頻度発送、まさにお得意様です。

 

せっかくなので横を通る電車とも並べて撮影。まずE259系。あっという間に全編成が新塗装になってしまいました。

 

そして増備完了間近のE235系1000番代。せっかく晴れていたので背景のビル群も入れてみました。E217系と並びは数年前に撮った気がするので待たずに撤収。そもそもあと何本くらい動いているのでしょう。

 

用事を済ませた後は京葉線総武線を乗り継ぎまして…、

 

千葉駅へ。目的は前回訪問時に設置されていなかったトレインスタンプラリーのポスターです。自分が行った翌日は設置されていたようなので、たまたま設置されていない日を引いたみたいですね。ある意味すごい確率かと思われます。

 

ということで、改めまして千葉駅のスタンプはJR東日本が世界に誇る国宝兼名車のキヤE195系です。ロングレール輸送用の0番代と定尺レール輸送用の1000番代が並んだデザインで、どちらも量産先行車(LT-1・ST-1)の姿が再現されています。

 

長らく機関車牽引方式で行われてきたレール輸送を気動車化し、あらゆる面での効率化を実現した動力分散方式の極致、名車中の名車中の名車です。千葉駅は千葉県内各所へのレール輸送の要衝となっておりまして、スタンプとして配置されるのも納得です。

 

まさか2回も千葉駅に行くことになるとは思いませんでしたが、何はともあれポスターは見られたので一安心。ここから一気に北上し、大宮駅に向かいます。

 

工9514D 東京タ工臨  キヤE195系ST-11+ST-10編成 大宮

 

待つこと暫し、10番線をキヤE195系が通過していきました。午後発送の東京タ工臨です。3日に東京RCに送り込まれたST-10・ST-11編成が充当されました。

 

チキ車時代の東京タ工臨は東京支社向けながら横浜支社向けのチキに連結されて東高島工臨として発送されており異彩を放っていましたが、直送が基本となったキヤ工臨では例にもれず東京レールセンターから東京貨物ターミナルまで直行します。が、キヤ工臨になってからは運転経路で若干の異彩を放っています。

 

普通は横浜支社向けの工臨と同様に新金線・常磐線・馬橋支線を通って武蔵野線をぐるっと回って新鶴見~東京タという経路が思い浮かびますが、この東京タ工臨はなぜか金町で一旦折り返して田端操へ向かい東北貨物線を北上。東大宮操で折り返してから武蔵野線に入るという経路になっています。キヤ工臨は編成の向きを変えないという大原則が存在するので少々複雑な経路を通る工臨が存在するのは事実ですが、武蔵野線をぐるっと回ろうが東大宮操で折り返そうが結局向きは同じになります。摩訶不思議な工臨の1つであります。

 

工9865D 東京タ工臨  キヤE195系ST-10+ST-11編成 大宮

 

ということで東大宮操からの折り返しも撮影。今度は5番線に入りました。折り返してST-10編成が先頭になったわけですが、こちらは空車となっています。これが東京タ工臨のもう1つの不思議で、2023年11月29日の発送以来、必ず空車が1編成連結された状態で発送されています。

 

その前の2023年7月28日の発送までは1編成が基本だったので、2編成でないと入線できないというわけではなさそうです。実績を見た限りでは、積み荷が50Nレールのときは越中島貨物駅発車時点で前が空車で、60Kレールのときは後ろが空車となっているので、取り卸し場所の都合と推察されます。

 

そんなわけで、今回は50Nレールなので空車先頭で東京貨物ターミナルに向かうこととなります。かつての東京タ工臨は都区内の貨物線向けレール輸送だったので50Nレールが基本でしたが、最近では60Kレールの発送が増えています。理由はもうおわかりですよね。

 

発車を見送って再び南下。一旦態勢を整えまして…、

 

戻って参りました東京貨物ターミナル駅、東京タ工臨の終着駅です。程なくして着発線にキヤが入ってきたわけですが、そこからが寒空の下の耐久戦。コンテナの隙間から保守用車標識灯が点滅しているのだけは見えるのですが一向に動きません。あまりの寒さに諦めようと撤収作業を始めた矢先…、

 

突然動き始めました。あと5分遅かったらマジで帰っていたと思います…。

 

動き始めればこっちのもんということで、寒さも忘れて撮影開始です。着発線を発ったキヤは構内の北端まで移動しまして、この位置で停車。

 

折り返して今度はこの位置で停車。この位置で再び折り返すと直線側は今さっき通った線路と同じ線路、分岐側は横取り装置が付いているという状況です。横取り装置は保守用車しか通れないと書きました。が、キヤE195系なら通れます。

 

そう、保守用車モードならね。

 

「保守用車」と一口に言ってもなかなかややこしい話になってしまうのですが、基本的には車籍を有していない軌道モーターカー等を指します。が、キヤE195系は保守用車として運転する機能を有しているため、横取り装置の通過も可能となっています。キヤE195系の真価が発揮される場面の1つと言えるでしょう。

 

※保守用車(東京タ(羽田)工臨)  キヤE195系ST-10+ST-11編成 東京貨物ターミナル

 

横取り装置をゆっくりと通過して、ここで停車。この日どうしても撮りたかったカット、建設中の羽田空港アクセス線に乗り入れるキヤE195系です。工事が進行すれば手前に下り本線が敷設され、架線柱も建つことになるので、今しか見られない光景です。

 

感動に浸る間もなくすぐに運転位置が変わり、3回目の折り返し。

 

羽田空港アクセス線の上り本線を進んでいきます。開業後の向きで考えれば逆走する形ですね。

 

目的地はこの先の羽田新保守基地。ここでレールを降ろし、後日返却という流れになると思われます。60Kレールの発送、そして年1ペースが基本だった東京タ工臨の運転頻度が異常に上がっているのも全て羽田空港アクセス線のためと考えるのが自然でしょう。

 

極寒の中の厳しい撮影となりましたが、いいものを見ることができました。

 

キヤE195系が初めて携わる新線となる羽田空港アクセス線。この先も目が離せません。

 

以上です。