れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

2024/9/29 2064M・大和路線など

前回の記事の続きです。

 

om08amagi.hatenablog.com

 

明けて日曜日。大和路線に行くのは決定事項でしたが、その前に1つ撮りたいものがあったので阪和線へ。

 

2064M 特急 くろしお16号 新大阪  283系HB631+HB632編成 東佐野

 

鉄道界のスーパースター 283系 "Ocean Arrow" の登場です…、が、前日までと少し様子が違います。この非貫通顔、イルカ側の先頭車は新宮・白浜方に連結されているのですが、この列車は上りのくろしお16号。イルカが逆向きに連結されています。

 

実はこれ付属編成による代走、いわゆる 逆オーシャン の編成です。283系には基本編成6連×2本のほかに付属編成3連×2本が存在しており、1本は片側が非貫通顔、もう1本は両側が貫通顔のモノクラス編成となっています。

 

283系は2運用に対して基本編成が2本しか存在しないので、検査等の際には付属編成が3+3の編成を組んで出てきます。実は前日に天王寺でこの逆オーシャンの編成を見かけていまして、何が何でも撮らせてくれと懇願して撮影させていただくことができました。

 

また、この付属編成は基本編成の代走のほか、繁忙期に6+3の9連を組むための増結要員としても使用されています。基本編成と併結させるためには新宮・白浜方を貫通顔にする必要がありますので、HB631編成は上り方に非貫通顔を連結しています。また、HB632編成は基本編成とHB631編成の両方との併結を想定して両側が貫通顔になっているというわけです。

 

これでこの日の目的は達成。帰って寝ようと思いましたが、気付いたらまた大和路線にいました。

 

1773K 普通 JR難波  201系ND606編成 高井田~柏原

 

まずやって来たのは高井田~柏原間のストレート。奥に柏原市役所が見えます。昨日は夕方から出てきたND606編成が終日運用に入っていました。

 

3373K 大和路快速 天王寺  221系NA434+NA4** 高井田~柏原

 

続いて大和路快速。奈良~天王寺間を物体Aの重連が高速移動しています。大和路線で201系を撮影していれば当然コレが前後で大量にやって来るわけですが、なぜかピント外したりケツ切ったりで、3日目にして初めて撮影に成功しました。

 

大阪・奈良間の輸送を担う大和路快速。運転区間としては高田・奈良~天王寺になるのですが、この区間天王寺方面の列車の行先表示は「天王寺」ではなく「大阪環状線」になっています。奈良から天王寺に向かって突っ走ってきた大和路快速天王寺駅17番のりばに滑り込み、そこから大阪環状線をぐるっと1周、再び天王寺に戻ってきて14番のりばに到着するという運行形態になっています。大和路線のみならず大阪環状線内の速達列車という役割も担っています。

 

使用車両は221系。1989年に登場した直流近郊型電車です。「パノラマ通勤車」をコンセプトとして観光利用も想定したデザインとなっています。

 

1777K 普通 JR難波  201系ND604編成 高井田~柏原

 

そしてもう1本の201系。こちらはND604編成で、残るND607編成が朝夕のみの運用という布陣でした。

 

 

これでまたしばらく201系が来ない時間帯に入りますので、一旦平野駅まで戻り昼食。知人がまた資料写真を撮りたいということだったので先に駅まで戻ってもらいまして…、

 

1789K 普通 JR難波  201系ND606編成 平野~東部市場前

 

自分は駅に戻る道中でND606編成を面縦。このときのラーメン代を返してもらっていないような気がします。

 

 

さて、ここから一気に奈良方面に向かいまして、大阪府最後の駅、河内堅上へ。ここから次の三郷までは山間を大きなS字を描くように貫く区間で、ロケーションが一変します。

 

1805K 普通 JR難波  201系ND606編成 三郷~河内堅上

 

やって来たのは第二明神踏切。府県境の近辺に位置する踏切です。難波方面のカーブも6両がピッタリ収まっていい感じですが…、

 

1802K 普通 王寺  201系ND604編成 河内堅上~三郷

 

やはり有名なのはこのトンネル抜き。簡単そうに見えて意外と立ち位置が難しいです。

 

1807K 普通 JR難波  221系NC613編成 三郷~河内堅上

 

続いて反対側から電車が通過。

 

2107M 直通快速 大阪  221系NA429編成 三郷~河内堅上

 

そして直通快速がやって来ました。1日4往復のみ運転されるちょっとレアな種別です。奈良~大阪間の輸送を担う点は大和路快速と同じですが、久宝寺から先は 城東貨物線 おおさか東線に入り大阪へ向かう列車です。おおさか東線経由ということで、大阪駅うめきたの地下ホームの発着となります。

 

1809K 普通 JR難波  201系ND604編成 三郷~河内堅上

 

〆に先ほどのND604編成の折り返し。この頃にはだいぶ暗くなっていましたがまあなんとか。

 

これで日中の撮影は終了。河内堅上駅に戻ります。

 

道中で気になったのがこの橋。トラス橋の上に大和路線の鉄道橋が架かっています。この橋は第四大和川橋梁、一見するとトラス橋が廃線跡のようにも見えますが、実はこれトラス橋が鉄道橋の土台となっている、極めて珍しい架構形態の構造物です。

 

かつての大和路線関西本線)は、河内堅上駅を出ると大和川の北岸を走り三郷駅に至っていたのですが、この地域は「亀の瀬地すべり」と呼ばれる地すべりが多発している地帯で、1932年の大規模な地すべりによって亀ノ瀬トンネルが崩壊。当時の国鉄は地すべりの影響がない大和川南岸のルートへの切り替えを決定し、同年12月31日に完成。この1駅間で大和川を2回も渡るルートになっているのはこういうわけなのです。

 

河内堅上駅を出て、大和川の北岸から南岸へ渡るべく建設された第四大和川橋梁。川を比較的浅い角度で渡ること、川幅が狭いこと、そしてなにより迂回ルートの完成が急務であったことから、トラス橋を土台とする構造が採用されたものと思われます。現在ではこの希少な構造が評価され、土木学会の選奨土木遺産に認定されています。

 

 

さて、河内堅上から天王寺に戻りまして一旦休憩。緑色の飲み物で体力を回復させ、前日に行った架道橋へ。

 

1828K 普通 王寺  201系ND607編成 / 1825K 普通 JR難波  201系ND604編成 天王寺

 

現行ダイヤでは並びそうでなかなか並ばない、天王寺での201系の並びです。夜になってND607編成が出てきました。

 

この光景もいつまで見られるか…。

 

この後は新今宮に移動しまして、新世界で夕飯。串カツと緑色の酒で乾杯です。

 

いい感じになったところで今度は環状線で大阪へ。少し歩いて2日ぶりのうめきたエリアへ向かいます。

 

86M 特急 くろしお36号  283系HB631+HB632編成 大阪

 

新宮からの特急くろしお36号が入線。今朝撮影した逆オーシャンが充当されました。あまりのカッコよさに涙が止まりませんでした。

 

1058M 特急 はるか58号 京都  281系HA604+271系HA65*編成 大阪

 

感動からわずか8分後、後を追うように関西空港からの特急はるか58号が滑り込んできました。使用車両は、こちらもJR西日本が世界に誇る名車 281系です。京都・大阪と関西空港を結ぶ関空特急「はるか」専用車両として1994年に登場しました。

 

2019年には「ハローキティ」とのコラボ企画によって全編成にド派手なラッピングが施されましたが、昨年12月に突如HA604編成がラッピングを外され出場。久々となる「白はるか」の帰還に、全国民が涙しました。先月末には付属編成のHA631編成もラッピングを解除されまして、白はるか9連の実現に期待が高まっています。

 

ちなみに運転台の下に引かれている謎の帯は、特急「はるか」運行開始30周年記念 のロゴラッピングです。目つきの悪い281系と271系がめちゃめちゃかわいいです。

 

 

この後は地上ホームに移動して時間調整。

 

253C 普通 西明石  207系S66+***編成 大阪

 

6番線に発着する神戸線を。まずは207系の未更新車から。1991年に登場した207系ですが、この2000番代は2000年代に入り製造されたものです。

 

程なくして後ろからも未更新車が入線。いい並びが見られました。

 

1227C 普通 新三田  207系S22+***編成 大阪

 

続いて1000番代の体質改善車。207系の体質改善工事は0・1000番代を中心に行われており、いわゆる更新車の前面は321系に準じたデザインに変更されています。

 

255C 普通 西明石  207系S42編成 大阪

 

続いても1000番代の体質改善車ですが、こちらは中央の種別表示もフルカラーLEDになっています。一体いくつ形態があるのでしょうか。

 

1235C 普通 新三田  321系D23編成 大阪

 

〆は321系。長期にわたって製造が続けられていた207系の設計を全面的に見直した上で、2005年に登場した形式です。207系と似ているようで似ていない、なんだか地下鉄の車両みたいなデザインです。

 

 

4本撮って4本とも形式・形態違いという実に効率の良い時間調整でした。ここから再び移動しまして、JR難波へ。この日の〆にしてメインイベントの始まりです。

 

1874K 普通 奈良  201系ND604編成 JR難波

 

1874K 普通 奈良行き。現行ダイヤで唯一201系が充当される奈良行きです。前日は新今宮で撮影しましたが、この日は終点の奈良まで乗り通します。

 

発車直前、1番線に287系が入線してきました。今年のダイヤ改正で新たに設定された回送(毎日運転ではない)のようで、どうやら翌日の特急「らくラクやまと」の送り込みのようです。JR難波から奈良まで201系の後をひたすら追い続けます。

 

 

23時30分、1874Kは定刻通りJR難波駅を発車。途中の王寺までは比較的駅間が短いのですが、王寺を出ると駅間が長くなり、めちゃめちゃ良い走りをします。深夜の眠気も相俟ってだんだんシートが青緑色に見えてくるなど、「あのときの201系」を五感で感じられる素晴らしい列車です。どんな体験型コンテンツよりも優れています。JRおでかけネット「観光列車の旅時間」に掲載されるべきです。

 

約1時間の乗車で奈良駅に到着。向かいのホームにスカイブルーの205系が停泊していました。ウグイスとスカイブルー、形式は違えど関東人のDNAに刻み込まれた組み合わせです。

 

201系はこの先の奈良電車区へ引き上げ。このあと大和路線奈良行き終電車の到着をもって、奈良駅の営業は終了となります。

 

ここから大阪へ帰る術は車以外にありませんので、駅前のホテルで1泊。駅を見下ろせるデンシャ・ルームに案内され、寝不足が決定しました。

 

つづく。