9月5日から6日にかけての撮影分です。
この日は7月以来の高崎エリアへ。お目当ては9月6日と7日に運転される予定だった「SLぐんま水上」です。
7月19日に運転された「GV・SLぐんま横川」1番列車でのD51 498不具合と、C61 20の検査入場が重なりSL不在の状態が続いている高崎支社。8月3日までの「SLぐんま水上」はC61 20が代走、8月9~11日の「GV・SLぐんま桐生」「GV・SLぐんま横川」は新潟車両センターからEF64 1031をレンタルした上でGV-E197とのプッシュプルで運転、そして8月16日から毎週土日に設定されていた「SLぐんま水上」は当面予定がないとされていたGV-E197系単独牽引での運転が行われてきました。
思わぬ形で実現することとなったGV単独牽引の客車列車。SLの代打という形ではありますが、普段のSL牽引ではできない90km/hオーバーの高速走行を披露するなど意欲的な列車となっており、一部の物好きな界隈ではたいへんに好評を博していたようです。そんな物好きの1人である当方もGV代走牽引最終週となる9月6日の切符を押さえており、皆さまの乗車レポートを見ながら当日を心待ちにしていました……、
………が、乗車2日前の9月4日、信じ難いニュースが飛び込んできました。
発生時間と区間を見てとても嫌な予感がしたのですが、その予感は的中。当該はD51 498+12系の試運転列車でした。D51 498の第7軸(テンダー車)が脱線、人的被害こそありませんでしたが、当該区間の運転再開に丸1日以上を要する事態となってしまいました。
週末までに復旧したとて「ぐんま水上」の運転は無理だろうなと直感しましたが、やはり当日中に高崎支社より9月5・6日の「SLぐんま水上」運休のプレスリリースが発出。乗車計画は幻に終わりました。
かくして週末の予定が消滅したわけですが、乗車に際して前日入りを予定しており既にホテルを押さえていたのでとりあえず高崎行きは決行。運休の無念を晴らす旅の始まりです。
ということで、まずはキヤの午前発送の撮影から。台風が接近していましたので、雨に濡れない赤羽駅へ。
工9513D 上沼垂工臨 キヤE195系ST-15+ST-16+ST-20編成 赤羽
午前発送の上沼垂工臨です。前からST-15(越後寒川行き)・ST-16(坂町行き)・ST-20(新津行き)。例年だと9月あたりまでは4編成での発送が続く上沼垂工臨ですが、今年は7月半ばから3編成での発送が続いています。
平日の昼間ながら赤羽は大盛況、遂にキヤも市民権を得たかと思いきや、この数十分後にDE10 1603の単回が通過したようです。前にもこんなことがあったような…。
ここから一気に高崎駅へ。時間は十分にあるので高崎線でのんびり向かいます。
昼飯まで食べる余裕がありまして、ようやく1番線にキヤが到着。
工9733D キヤE195系ST-15+ST-16+ST-20編成 高崎
新小岩信号場発車の時点ではまだ上越線沼田~水上間が不通でしたが、高崎到着の少し前に運転再開。小休止を経て上越線へと向かっていきます。
発車は見送らずに先回りしまして…、
やって来たのは土樽駅。上越線下り方面における新潟県最初の駅です。
新幹線か関越道でしか通ったことのないエリアなので、降り立ったのはこれが初めて。通過したのも大昔に「ムーンライトえちご」で通った1回だけだったかもしれません。
草に埋もれた名所案内がいい味を出していますね。徒歩3.3時間というなかなかえげつない距離の名所も表記されています。
ここから少し歩いて撮り鉄的名所の新清水トンネル飛び出しへ。最後に訪問したのが南武線205系の譲渡配給の時ということで、実に10年ぶりの訪問となりました。
2071 EH200-8+コキ19車 土合~土樽
まずはEH200-8牽引の2071列車から。ここでブルサンを見るのは初めてだったりするんですが、地元で見かける姿とは全く違う迫力のようなものを感じますね…。
続いて本題。トンネル出口から水蒸気と共に見慣れた気動車が姿を現しました。
工9733D 上沼垂工臨 キヤE195系ST-15+ST-16+ST-20編成 土合~土樽
2071列車の後を追うようにやって来た上沼垂工臨。全長13,490mの新清水トンネルを抜けて新潟県に突入する、ハイライトとも言える区間の1つです。キヤE195系の運用開始から4年半、ようやくこの場所で撮影することができました。
上沼垂工臨の追っかけはここまでにして、余韻に浸りつつ高崎駅へ戻ります。予定より早い列車に乗れたので到着後駆け足で高崎アリーナまで移動しまして…、
※入換 GV-E197系TS03編成 高崎
GV-E197系の入区を撮影。朝方に小野上へ砕石を積みに行っていたTS03編成が帰って来ました。GVの導入後は小野上から散布現場まで直行がデフォルトになりつつありますが、この日は高崎入区で終了。翌々日の7日に散布現場の中央本線へ向けて出発したようです。
そんなわけで、積車での入区は意外と珍しい光景かもしれません。いいものを見ることができました。
このあとはホテルに入庫。のんびりしたいところでしたが荷物だけぶん投げて再び外出。夕飯と軽く酒を投入して万全の状態(?)で夜の部に挑みます。
まずは高崎駅に隣接しているぐんま車両センターへ。
次世代の気動車たちがずらりと並んでいました。素晴らしい光景です。

外から見えやすい位置に並んでいたGV-E197系。手前がTS04編成、奥がTS08編成です。
SL2機の戦線離脱によりこの夏の主役の座に躍り出たTS08編成。代走最終週はまさかの運休ということで、静かに休んでいました。手前のTS04編成はホッパ車が外されており、こちらは「SLぐんま水上」等の構内入換に従事していました。TS08と共にこの夏の客車列車を支えた編成です。構内入換も脱・機関車ということで、どうやら高崎にいる編成のうち1本が入換要員として使用されるようです。
その奥には八高線の新型車両HB-E220系の姿。仙石東北ラインで活躍するHB-E210系の続番となる、最新鋭のハイブリット気動車です。プレスリリース発表時にはまるで事業用車のような車体側面に御意見が噴出していた同形式。実は高崎アリーナでGVを撮る前に試運転を終えて入区する姿を見かけたのですが、確かに第一印象は「窓少なっ!!」でした。
続いて車両センター構内を横切る踏切付近へ。TS04編成から外されたホッパ車のうち2両が留置されていました。ちなみに残りの2両は駅の方の留置線にいました。4両まとめて置いておくスペースがあまりないのでしょうか…。
色々と撮れたところでぐんま車両センターの見学は終了。駅に戻りまして、高崎線に乗車。貴重になりつつあるVVVF未更新のE231系による上野行き、あまりにも「正しい」高崎線の姿に感動しつつ桶川まで上ります。
工9947D 吹上工臨 キヤE195系ST-22編成 桶川
程なくして中線にキヤが到着。午後発送の吹上工臨です。この日は午前も午後も高崎方面という何とも都合の良い内容でした。これで明日GVが走れば最高の週末だったんだけどね!!!
アングルを上げてもう1枚。顔横の架線柱が気になったのであえて奥の電車発車時にシャッターを切ってみました。
後ろからも1枚。積み荷は60Kレールが12本でした。
ここでも発車は見送らずに先回り。吹上工臨なので当然にキヤの行き先は吹上ですが…、
吹上をスルーして一旦籠原まで下ります。
気動車化により輸送経路の効率化が図られているキヤ工臨。大宮から下ってきて吹上の中線に突っ込んでそこから側線に移動すれば一番効率が良いように思えますが、何でもかんでも一番効率良くすればいいというわけでもないようです。色々な要素を勘案して経路が決められているのですね。
ということで、輸送先は吹上ながら籠原で折り返し。ここから吹上駅まで上って中線に入り側線へ移動。取卸し後は中線に移動して再び籠原まで下り、田端に戻るという経路になっているようです。
取卸し作業も気になるところではありますが、これにて撤収。高崎へ戻ります。
電車を待つ間、気になるものを見つけたので跨線橋へ。
高崎エリアで活躍する機関車・気動車の解説がずらりと貼られているのですが…、
やはりこの車両もいました。めっちゃわかりやすいですねコレ。
ということで、気付けば高崎終のお時間。金曜夜ということで車内はお察し状態でしたが、滅多に乗る機会がないので良い経験になりました。寝たかったのに全然寝られなかった…。
これにて夜の部も終了。翌日の予定は全て吹っ飛んだので心置きなく爆睡しました。
翌朝、のんびり朝飯を食べてチェックアウト。東京に戻るべく高崎駅へ向かいます。

…、改札内にしっかりと掲示されていました。乗車目前にして無念の運休、リベンジの機会があればいいのですが…。

周知がしっかりされていたのか、脱線事故のインパクトが大きすぎたのか、発車時刻直前になってもさほど混乱している様子は見受けられませんでした。
色々と思うところはありますが、走らないもんはどうしようもないので新幹線に乗って撤収。予定より半日ほど早い帰宅となりました。
この度の脱線事故による「SLぐんま水上」の運休。原因の究明および対策実施までに相当の時間を要するとのことで、9月10日付のプレスリリースにて9月~11月の「ぐんま横川」「ぐんま桐生」「ぐんま水上」が全列車運休となることが発表されました。
SLと12系が使えないなら今こそGV+旧型客車を…!と言いたいところですが、蒸気暖房が使えないのでなかなかに厳しそうです。ちなみに高崎の旧客は蒸気暖房のみ対応で電気暖房は使えないようなので、EL・DLが残っていようが同じ結末を迎えたと思われます。
GV-E197系のデビューという新たなスタートを切った高崎の客車列車。12月に設定がなされなければ年内の運転は8月で終了ということになるかもしれません。残念ではありますが、今は復活の日を待つしかありません。復活の暁にはGVぐんま水上のリベンジを…、というオタクの願望だけ書き残して、この記事は終わりにします。
以上です。