れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

2021/3/17 新小岩(信)工臨・保土ヶ谷工臨

越中島貨物駅(東京レールセンター)から各地に向けて発送されている首都圏のレール輸送。長きにわたって行われてきた機関車とレール輸送用貨車を用いた輸送方式は2021年3月12日の新津工臨返空をもって終了となり、遂にレール輸送用新型気動車キヤE195系によるレール輸送が開始されました。

 

越中島キヤ工臨はじまりの1日の記録です。

 


 

2021年3月15日から運用を開始した尾久車両センター所属のキヤE195系。まずはST-10編成が越中島貨物駅に、その翌日にはST-15編成とST-20編成が同じく越中島貨物駅に送り込まれています。そして2021年3月17日、この日からキヤE195系を用いた越中島貨物駅発のレール輸送が開始となりました。

 

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ということでやって来たのは越中島貨物駅。つい先日までは黒い板で埋め尽くされていた構内も、すっかりキヤだらけになっていました。積込線にいるのが16日に回送されてきたLT-1編成、線路を2本挟んで前からST-14・ST-9・ST-10編成、その隣にはST-20・ST-15編成が留置されています。

 

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程なくしてST-14+ST-9編成が起動。前照灯と保守用車標識灯が点灯します。越中島キヤ工臨の幕開け、歴史的な瞬間です。

 

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※入換(新小岩(信)工臨) キヤE195系ST-14+ST-9編成 越中島貨物

 

ゆっくりと引上線へ進入。越中島キヤ工臨の初荷は、新小岩信号所行きの定尺レール輸送となりました。

 

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引上線のこの位置で停車。ここからはST-9編成が先頭になり、新小岩信号所へと向かいます。

 

ここで越中島貨物駅からは一旦撤収しまして、南砂線路公園に移動。

 

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工7231D(入換) キヤE195系ST-17+ST-16+ST-18編成 越中島貨物

 

ここでのお目当ては田端から越中島貨物駅への送り込み回送。越中島貨物線区間は初撮影となりました。今回はST-17・ST-16・ST-18の計3編成が一気に越中島へ送り込まれました。

 

この後は新小岩信号所へ。狙いは言わずもがなキヤ工臨の初便です。

 

とは言っても入線なんて撮る暇はなく、荷票のみ確認したら即入換開始。

 

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工7230D(入換) 新小岩(信)工臨 キヤE195系ST-9+ST-14編成 新小岩

 

そのままレールの取卸しを行う線路に突っ込むのかと思いきや、どうも違う場所に停車している様子。チキ車時代とは入換の手順も変わっているようです。

 

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機留線では2つの機関車が出区点検中でした。右は黒砂試単に使用されるEF65 1115、左がこの日の越中島貨物線を担当するDE10 1751です。

キヤE195系の運用開始に伴い越中島貨物線をDE10が走る機会は激減したわけですが、午前便と午後便の間の1往復のみDE10の仕業が残りました。ちなみにこのDE10 1751は現在の木更津常駐機。改正前までは田端からDE10が送り込んで越中島貨物線の列車牽引に充当していましたが、これからは木更津常駐機が使用されるという日も出てくるようです。

 

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続いて総武陸橋の上から1枚。キヤとDE10とPF、過渡期の今ならではの光景です。

 

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程なくして、手前を1093列車が通過。更新色のEF65 2063が先頭に立っていました。

 

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せっかくなので置き換えの進むE217系ともコラボ。全廃はまだまだ先の話になりそうですが…。ちなみにE217系が走っている線路の3つ右隣の線路が新小岩工臨の取卸し作業を行う線路です。この日は取卸しを行う線路には入線しませんでしたが、後日入換が行われ、チキ車時代と同じようにレールの取卸しを行ったようです。

 

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この日はキヤの初仕事ということもあり、作業員の方々がキヤの周りで色々と確認を行っていました。お昼頃になるとキヤの周りには誰もいなくなっていたので撤収しようと思ったのですが、EF65が出区点検していたのを思い出してちょっと居残り。

 

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試単9313 EF65 1115 新小岩

 

せっかくなのでキヤと絡めて1枚撮ってみました。今月3日に全検出場を果たしたEF65 1115。9日には白岡試単を行ったので、最後にチキを牽いてくれるかと思いきやそんなことはなく、今回の黒砂試単から稼働開始となりました。もう牽くものもほとんどないとは思いますが、綺麗になって出てきたからには末永く活躍してもらいたいものです…。

 

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さて、記念すべきキヤ工臨初便の荷票です。チキ車時代は行先票と特大貨物検査票の2枚が差さっていましたが、キヤ工臨は特大貨物検査票のみが差されるようです。

 

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特大貨物検査票そのものも若干変わっており、右上の輸送経路の欄が空欄になっていたり、下の検査日を書く欄の書式も変更されています。

 

チキ車時代との相違点としては、まず定尺レール輸送でも輸送番号が表記されるようになりました。今回の輸送番号は「千-1」、「千」は恐らく千葉支社向けという意味でしょう。長尺レール輸送だと千葉支社向けは「葉」と表記されていましたが、このタイミングで変わったのか、あるいは定尺と長尺は表記を分けるのか、気になるとこです。

 

その下の積載限界と、レールの種類・長さ・本数の表記は変化がありませんが(書く場所が微妙に変わっていますが)、今までチキの車番と行き先が書かれていた 貨車下面と軌条面との間隔 の欄にはキヤの編成名のみが書かれるようになりました。

 

さらに、今までは検査日の下に「千葉機関区」 の判が押されていたのですが、新しい票は日付の横に「尾久車両センター」と印刷されています。

 

どうやら、東北地区で先に運用を開始した小牛田キヤの票の書き方を踏襲しているようです。

 

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参考までに、チキ車時代の荷票。 

 

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ST-14編成側の票も。輸送番号はST-9編成と同じく千-1でした。
 

 

さて、この後は再び越中島貨物駅へ。

 

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午前便で送り込まれてきたST-16・ST-17・ST-18編成が積卸作業場に留置されていました。

 

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ST-16編成とST-17編成は既にレールが積まれており…、

 

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ST-18編成は空の状態でした。

 

で、この後は午後便を撮るためにのんびり移動。越中島貨物線内で1発撮ったのですが、思いっきり遅切りしたのでお蔵入り。これからいくらでも走るので、そのうちリベンジですね…。

 

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ってことで本日2度目の新小岩信号所へ。7番線にキヤ、6番線に交検チキ4両が停車中。

 

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キヤの方は、3月15日に越中島貨物駅に送り込まれたST-10編成です。

 

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こちらもまずは票を確認。輸送番号は浜-4。浜は横浜支社向けって意味だと思いますが、1じゃなくて4なんですね…。

 

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発車までかなり時間があるので一旦エンジンを落とすのかと思いきや、両エンド尾灯をつけた上でアイドリングしっぱなし。これはちょっと意外でした。

 

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この日は朝から移動しっぱなしだったので、ここでようやくレールを積んだ状態のキヤを間近で眺めることができました。レール積付具はこんな感じ。

 

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こちらはチキの緊締装置。基本的な構造はそんなに変わっていないように見えます。

 

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話をキヤに戻しまして…。レールの中央部分は、ロープではなく青いベルトで固定されています。両端はチキ車時代に引き続きロープで固定を行っていました。

 

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1段目と2段目の間には木の板が挟まっていました。

 

で、発車までまだまだ時間があったので、再び新小岩工臨のキヤが留置されているところへ。

 

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積み荷もちょろっと観察。ST-9編成側は端部熱処理レール多めでした。

 

そうこうしていると少しずつ暗くなってきたので…、

 

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陸橋へ移動して1枚。朝から色んな光景を見てきましたが、7番線にキヤが停まっているこの光景が一番未来を感じました。

 

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下に降りて後ろからも1枚。明るいところで見る姿とはまた違ったよさがあります。

 

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1090列車との並びも。改正後もEF65が充当されるようで、しばらくはこの並びが日常的に見られそうです。

 

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縦でも1枚。新設された照明がいい感じですね。この状態で前照灯が点いたらかっこいいだろうなあと思って、まあ前照灯点いたたんですが、想像以上にライトが強くて撃沈しました。

 

ってやっていたら発車時間になってしまったので、中央線で先回り。

 

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工9865D 保土ヶ谷工臨  キヤE195系ST-10編成 西国分寺

 

キヤの夜発送第1便、保土ヶ谷工臨です。チキ車時代は一旦東高島まで向かい、そこから改めて保土ヶ谷まで向かうという手順で運転されていた列車ですが、キヤ化に伴い越中島貨物駅から直接保土ヶ谷まで向かうようになりました。支社ごとに複数の行き先をまとめて拠点駅まで持っていく従来のスタイルは、今後あまり見られなくなりそうです。

 

ここから先の区間も見どころはたくさんあるみたいですが、疲れたのでここで撤収。長い付き合いになりそうですし、のんびりと追いかけていこうと思います。

 


 

小牛田組の本格稼働開始から約4ヶ月、遂に尾久車両センター所属のキヤE195系を使用したレール輸送もスタートしました。首都圏レール輸送の歴史が動く瞬間に立ち会えたことは、レール輸送ファン冥利に尽きます。ここからはじまる「新しいレール輸送の姿」を、できる限り見つめていきたいと思います。

 

随分と長くなってしまいました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

2021/3/15 工8421D・レール積込作業

昨日分です。

 

3月12日の新津工臨返空をもって運行終了となった越中島貨物駅発着のチキ工臨越中島貨物線の牽引機として使用されていた新小岩常駐のDE10も金曜日のうちに田端へと帰り、この土日は全く動きのない2日間となりました。

 

そして週が明けた3月15日、遂に尾久車両センター所属のキヤE195系の運用が開始されました。首都圏レール輸送新時代の幕開けです。

 

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工8421D 東京RC送り込み  キヤE195系ST-10編成 金町~新小岩

 

まずは新金線で編成写真を1発。記念すべき初運用はST-10編成が充当されました。初運用と言ってもこれは越中島貨物駅への送り込みで、まだレールは積載されていません。

 

今まではチキが越中島貨物駅に常駐していましたが、キヤは検査や給油の都合もあってか、どうやら越中島貨物駅に常駐することはなく、必要に応じて田端から越中島貨物へと送り込まれるという体制になったようです。そして、この送り込みの列車も工臨扱いでの運転となるようです。

 

この後は越中島貨物駅へ。

 

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越中島貨物駅に到着したST-10編成は積卸作業場に取り込まれ、早速レールを積み込んでいました。

 

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チキもキヤも基本的な構造は変わらないので、積込作業自体は同じような手順で進められていました。

 

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しばらくすると積込作業が中断され、クレーンが西側に移動。

 

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今度は保線車への積み込みが始まりました。

 

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ST-10編成の脇には役目を失った貨車がずらり。ちょうどチが3つ連なっているのが見えました。

 

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キヤE195-1110をよく見てみると、レールを積むために積付具(主器)の上の部分が外されているのがわかります。外されていると言っても、こちらから見て手前側の固定を解除して、奥の方に押しやっているだけ。チキの場合は、主器の上の部分を完全に取り外さないとレールが積み込めなかったので、これはキヤ化で効率化(省力化)されたものの1つと言えるでしょう。

 

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そうこうしているうちに保線車への積み込みが終了。

 

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構内の西側へと移動していきます。順光で撮るとなかなかかっこいいものですね…。

 

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そしてキヤへの積み込みが再開。クレーンの移動と共にキヤも少しだけ西側に移動。構内の移動は全て保守用車モードで行われるようで、移動中は前照灯と保守用車標識灯が点灯していました。

 

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今度は2段目のレールが積み込まれていきます。

 

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今から約4年前に更新されたこのクレーン。まるでキヤの導入を予見してたかのように、キヤへの積み込みが様になっています。色合い的にも相性抜群です。

 

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程なくして2段目への積み込みが終わり、積付具の組み立てとレールの固定が行われていました。今までは締結器の他にロープでレールを固定していましたが、これからは青色のベルトを使用するようです。

 

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これで作業終了。このあとST-14編成とST-9編成と併結して、貨車置き場の方へと移動していったようです。

 

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留置中のST-14編成とST-9編成。こちらの2編成にも既にレールが積み込まれており、あとは発送を待つのみとなっています。

 

これで越中島貨物駅からは撤収しました。

 

遂に運用が始まった尾久車両センターのキヤE195系、これからの活躍が楽しみですね。

 

2021/3/12 越中島チキ工臨最終便

3月5日発の我孫子工臨をもってチキ工臨の発送が終了した越中島貨物駅(東京レールセンター)。それから1週間が経った3月12日、最後の返空列車が越中島貨物駅へと帰ってきました。

 

越中島チキ工臨最後の1日の記録です。

 


 

終電繰り上げ等の関係もあり、今年は多くの鉄道事業者が一斉に実施することとなったダイヤ改正ダイヤ改正と言えばやはりサヨナラがつきもの。今年も各地で様々なサヨナラが見られました。一番ド派手なラストだったのはやはり首都圏最後の国鉄特急型185系だと思いますが、その陰でひっそりと終わりを迎えたものがありました。越中島貨物駅発着のチキ工臨です。

 

昔々のその昔から追いかけていらっしゃる大先輩方に比べれば全然大したことありませんが、やはり長らくメインの被写体としてきたものということで、そのグランドフィナーレを見届けてきました。

 

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ということでやって来ました、越中島貨物駅です。前日は3本バラバラで留置されていたキヤE195系ですが、この日はST-9編成とST-14編成が併結した状態になっていました。唯一レールが積まれていなかったST-1編成は、所属先の尾久車両センターへと帰っていったようです。

 

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少し左に目を移すと、移動機とチキが停車中。前日に引き続き、この日もチキ6421が控車として使われていました。

 

しばらく積卸作業場を眺めていると、どこからともなく凄い警笛が聞こえたのでよーく見てみると…、

 

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キヤE193系新小岩信号所に向けて発車していきました。越中島貨物線検測の日だったようですね。

 

この後はしおかぜ橋に移動。最後はやはり見慣れた場所で見送りたくなるものです。

 

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まずは積込線。留置されていたチキの入換が行われたようで、前日とは顔ぶれが変わっていました。

 

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しばらく眺めていると、前日に田端から越中島貨物駅に戻ってきたチキ5500形8両の入換が始まりました。

 

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一番南側の線路からチキをこの位置まで引き出しまして、1つ隣の線路に押し込みます。

 

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続いて前4両のみをこの位置まで引き出し、一番南側の線路へ押し込み。移動機をチキから切り離し、今度は1つ隣の線路から残りの4両を引き出し。そしてまた一番南側の線路へ。

 

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なんだかややこしい入換ですが、これで8両のうちの前4両と後ろ4両が入れ替わりました。再び8両に戻って、車止めギリギリまで押し込んでいきます。

 

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これにて貨車の入換は終了。移動機が切り離され、一旦構内の奥の方へと戻っていきます。

 

しばらくすると非常に聞き慣れた汽笛が聞こえたので、貨車置き場の方に目をやると…、

 

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積卸作業場に留置されていたキヤE195系ST-9編成とST-14編成が貨車置き場の方にやって来ました。しおかぜ橋から積卸作業場の様子は見えないのですが、これでキヤの姿も見えるように。舞台は整いました。

 

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そして移動機が登場。最後の返空列車の入換が始まります。

 

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この位置で停車し、工7233列車の到着を待ちます。

 

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10分ほど待ちまして、ようやく最後の返空列車が到着。越中島チキ工臨の最終便は新津工臨返空となりました。

 

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着発線のチキを引き取りに向かいます。

 

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※入換 TMC500W 308+チキ6421+チキ8車 越中島貨物

 

着発線でチキと連結し、引上線へ。越中島チキ工臨最終便の入換です。背後には真新しいクレーンと、線閉が解除された積込線、そしてこれからの工臨を担うキヤも顔を出しました。越中島チキ工臨最期の姿です。

 

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引上線から通路に押し込みまして、連結順を変更して更に奥へと押し込み。これで本当におしまいです。

 

 

昔々のその昔から走り続けてきた、機関車とレール輸送貨車を用いた臨時工事列車。その本当の最後を見届けられたことは、いちレール輸送ファンとして本当に光栄なことだと思います。

 

長らくのご活躍、お疲れ様でした。

 

そしてたくさんの素晴らしい景色を見せていただき、本当にありがとうございました。

 

 


 

さて、チキ工臨の最終便を見届けた後は田端運転所へ。これからのレール輸送を担うキヤE195系の姿を見てきました。

 

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到着してびっくり。南部機待がキヤだらけになっていました。一番左に見えるのがST-10編成、真ん中がST-20編成、一番右がST-18編成です。

 

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ST-10編成は給油設備の脇にピタッと停車中。給油していたんでしょうかね…?

 

ここから少し右の方に目を移すと…、

 

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EF81 139とDE10 1571、そしてDE10 1603。なかなか賑やかだなあと思いつつさらに右に目を向けると…、

 

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…、PFが一列に並んで留置されていました。

 

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1102号機の後ろは1103号機、

 

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少し間が開いて、その後ろには1105号機、

 

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一番後ろは1104号機でした。南部にPFがゴロゴロいる光景はたまーに見ますが、このように一列に並んでの留置は初めて見ました。

 

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PFの奥には大量のキヤ。昨年から世代交代を感じさせるような光景を度々目にしてきましたが、この光景もなかなかに強烈なインパクトがありました。

 

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チキ工臨の運行終了でPFの仕事が激減するのは明白です。

 

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いや、PFに限った話ではありません。ここにいるEF81もDE10も、多くの仕事を失うことになります。この日がJR東日本のEL・DLの終わりの始まりだったのかもしれません。

 

 

個人的にここ数年で一番インパクトのあったダイヤ改正前日がこれで終了。いよいよ首都圏レール輸送の新時代が幕を開けようとしています。

 

2021/3/11 田端操工臨返空など

先週の木曜日の分になります。

 

3月5日発の我孫子工臨をもってチキ工臨の発送が終了した越中島貨物駅(東京レールセンター)ですが、まだ各地からの返空が残っていますので、この日も越中島貨物駅に行ってきました。

 

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まずは積卸作業場の様子を。先週来た時は3本繋がった状態で留置されていたキヤE195系ですが、この日は3本ともバラされた状態になっていました。

 

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ST-9編成はレールを積んだ状態で作業場を行ったり来たり。

 

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この日は作業場にチキの姿はなく、なんだか未来の東京レールセンターの姿を垣間見たような気がします。

 

この後はしおかぜ橋に移動。

 

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移動機が控車を引き連れて登場。先週に引き続き、控車にはチキ6421が使用されていました。このあと引上線で停車し、推進で着発線へ。

 

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※入換 TMC500W 308+チキ6421+チキ8車 越中島貨物

 

貨車上の器具が取っ払われたチキを牽いて戻ってきました。1月25日に田端へ疎開したチキ5500形の疎開返却の入換です。控車の次位から順に、チキ5917・5606・5907・5900・5909・5516・5902・5914。もともとロンチキA編成に組み込まれていたチキが7両と、予備車が1両という内訳になっています。

 

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引上線から推進で一番南側の線路へ。これで疎開チキの入換は終了です。

 

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どうやら貨車上の器具の撤去が始まっているようで、貨車置き場には黒い板と化したチキがずらり。ちょっと異様な光景です。

 

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一方の積込線は線閉の標識が撤去されていました。昨年の11月頃から始まった門型クレーンの更新工事もこれで一段落といったところでしょうか。

 

で、どこからともなく移動機の汽笛が聞こえたので、少し待っていると…、

 

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黒い板が大量にやって来ました。

 

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移動機は最後尾にくっついていました。普段の入換で移動機のこちら側にチキが連結されることはないので、なんだか不思議な光景です。

 

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控車はくっつけたままなので、引上線からは控車が先頭になります。凄まじい編成です。

 

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どこへ行くのやらと思って着発線の方を覗いてみると…、

 

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側線に押し込まれていました。手前から、チキ5504・5915・5309・5252・5219・5237・6033・6184・6181・6052・6155・6086・6080・5308・5258。チキ5252だけは緊締装置が残ったままでした。

 

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移動機が帰って来まして、これで入換終了。なかなか面白いもんが見れました。

 

この日はこれで撤収しました。以上です。

 

2021/3/5 越中島チキ工臨最終発送

先週の金曜日の分になります。

 

越中島貨物駅(東京レールセンター)から各地に向けて発送されている首都圏のレール輸送。長きにわたり機関車とレール輸送用貨車を使用して運行されてきましたが、車両の老朽化に伴い気動車方式への切り換えが決定しています。JR東日本東北地区では、定尺レール輸送に関しては既に気動車方式への切り換えが完了しており、従来使用されていたチキ6000形については全て廃車となっています。

 

そして遂に、首都圏エリアでの機関車と貨車を用いたレール輸送にも終焉の時がやって来ました。越中島貨物駅から最後のチキ工臨が発送された1日を追いました。

 

 

そんな歴史的な1日の幕開けはキヤからスタート。朝のヒガジュウへ。

 

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試9521D キヤE195系LT-3編成 尾久~赤羽

 

先月の22日尾久車両センターへ到着したキヤE195系LT-3編成の公式試運転が行われました。今回も測定コンテナは上野方に積載されています。尾久キヤの公式試運転は、どうやらこれが最後になるようです。

 

この後は用事を済ませ、いよいよ越中島貨物駅へ。

 

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まずは運河の対岸から積卸作業場の様子を。先月の19日越中島貨物駅へやって来た短キヤが留置されています。

 

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よく見るとST-14編成とST-9編成には既にレールが積まれていました。短キヤにレールが積まれているところを見たのはこれが初めて。感動しました。

 

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一方のST-1編成にレールは積まれていませんでした。

 

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移動機の後ろには控車のチキ6421。JR貨物のチキも控車に使われるんですね。

 

 

で、昼飯を済ませて構内の北側へ。

 

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新型クレーンの掴み器具が下に降りていました。どうやら試験が行われていたようです。

 

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これがクレーンの完成形だとは思うのですが、6号機の下には謎の器具がもう1つ。なんだろう…?

 

で、しばらく様子を見ているとクレーンが動き始めまして…、

 

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レールの吊り上げが始まりました。

 

 

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こちらは2月15日に訪問した時の写真。ビニールがかけられている部分がレールを掴む部分のようで…、

 

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実際にレールを掴むとこんな感じになります。吊り上げて水平移動して降ろす、という一連の動作を何回か繰り返していました。とにかく音が静かでびっくり。

 

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で、引上線側に目を移すと、見慣れない移動機が1両。最初見た時は黄色い移動機30号を塗り替えたのかと思いましたが、どうやらそういうわけではないみたいです。

 

 

一通り構内を観察したところで、しおかぜ橋にスタンバイ。移動機の長い汽笛が鳴り響き、入換が始まります。

 

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※入換 TMC500W 308+チキ6421+チキ6車 越中島貨物

 

越中島貨物駅から発送される最後のチキ工臨の入換です。一見いつもと変わらぬ光景ですが、新型クレーンを背にチキ工臨が発送される光景は、僅かな期間しか見ることができなかった貴重な記録になるんじゃないかと思っています。

 

で、橋の下に移動しまして…、

 

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着発線への押し込みを。手前の線路に留置されていた大量のチ・チキが解体のために宇都宮タへと回送されたようで、編成撮りができるようになっていました。

 

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DE10と移動機と試験中の新型クレーン。越中島チキ工臨最末期の姿です。

 

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このあと移動機と控車はチキを切り離して引上線へ。

 

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着発線ではDE10が連結作業中。ここから新小岩信号所まではDE10 1603が先頭に立ちます。

 

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点検が終わり、いよいよ新小岩信号所に向けて出発。越中島貨物駅から発送されるチキ工臨の最終便、万感の思いで見送りました。

 

この後は新小岩信号所へ移動。

 

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7番線に最終便のチキが停車中。編成は前から、チキ6184・6033・5237・5219・5252・5309の順でした。

 

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最後尾となるチキ5252・5309ユニットの行先票には「チキ車最終便」の文字。本当にこれで最後です。

 

荷票を撮った後は一旦引っ込みまして、夜に再び新小岩信号所へ。最近はチキの廃車回送くらいでしか訪れることのなかった夜のシソですが、この日は久々に会う方々もたくさんいらっしゃいまして、なんだか数年前に戻ったような気分になりました。

 

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談笑しているうちに牽引機が到着。越中島発のチキ工臨最終便は、EF65 1104が先頭に立ちました。

 

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連結完了。

 

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工9723 我孫子工臨  EF65 1104+チキ6車 新小岩

 

5番線にはEF65 2060牽引の5971列車が停車中。頭がピタっと揃っていてびっくり。

 

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発車まで時間があるので、のんびりと撮影できました。

 

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雨が降ったり止んだりの天気でしたが、雨に濡れたレールが実に綺麗でした。

 

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先頭に立ったEF65 1104もこれが最終仕業。前も後ろもお別れです。

 

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そして発車時刻。長い汽笛を鳴らし、新小岩信号所を後にしていきました。姿が見えなくなるまで見届け、帰路につきました。

 

 

撮り鉄を本格的に始めて以来、長らくメインの被写体にしてきた「工臨」。昔々のその昔から追いかけている大先輩方には到底及びませんが、いま振り返ってみると自分なりには納得のいく記録ができたんじゃないかなと思います。

 

機関車とレール輸送用貨車を使用した工臨はここで終わりになりますが、工臨自体は今後も走り続けていきます。縁の下の力持ちとして鉄路を支えるという役割も変わることはありません。見慣れた光景が見納めになるのは少し寂しいですが、いちレール輸送ファンとして、これからの「新しい工臨の姿」 をできる限り見つめていきたいなと思っております。

 

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さよなら、チキ工臨

 

 

2021/3/5-6
入換~工7232-9723
我孫子工臨越中島チキ工臨最終発送)
 
TMC500W 308(越中島貨物構内入換)
DE10 1603(越中島貨物→新小岩信号所)
EF65 1104(新小岩信号所→我孫子
 
チキ6184・6033 50N×25M×25本
チキ5237・5219 60K×25M×20本
チキ5252・5309 60K×25M×16本