れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

スーパービュー踊り子と首都圏対伊豆方面特急

ご無沙汰しております。

 

よくわかんないウイルスのせいでお外に出られない日々…、というか出にくい日々が続いております。外に出ないと新しい写真が撮れないので、ブログも更新できず…、って状況が続いているわけなのですが、あんまり放置するのもなーと思いまして、しばらくの間は暇つぶしがてら適当な話題について書いていこうと思います。

 

気が向いたときにちょくちょく更新していくつもりなので、しょーもねーこと書いてんなコイツって感じでお付き合いいただければ幸いです。

 

ってことで、今回の話題はこちら。

 

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先日引退した251系「スーパービュー踊り子」について書いていこうと思います。

 

251系の登場は今から30年前の1990年、国鉄の分割民営化から3年が経過した頃になります。251系について書く前に、まずは登場前後の時代背景を見ていきたいと思います。

 

首都圏から近過ぎず遠過ぎずの場所に位置する伊豆半島。今も昔も人気の観光スポットの1つということで、今日でも首都圏対伊豆の特急列車が多く設定されています。約2時間半という列車で行くにはちょうどいい所要時間もさることながら、日本の大動脈である東海道新幹線伊豆半島の入口付近を東西に横切っているだけということも、依然として首都圏発着の特急列車が幅を利かせている要因の1つなんじゃないかなと思います。

 

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さて、そんな伊豆方面の特急列車ですが、251系登場のちょっと前、1980年代はまさに185系の牙城とも言える状態でありました。というのも、1969年頃から続いていた急行「伊豆」と、特急「あまぎ」の2本立て体制が崩壊し、1981年のダイヤ改正から伊豆方面に向かう優等列車は全てエル特急「踊り子」に統一。その4年後の1985年には臨時便を除く全ての列車が185系での運転になるという状況だったのです。

 

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特急列車と言えば赤とクリームという時代に、白を基調に緑のストライプを配するという、当時としては斬新な外観で登場した185系。ユニークなヘッドマークのデザインも相俟ってインパクトは絶大だったようですが、特急列車から普通列車まで使える汎用性を持たせた設備が災いし、必ずしも評判がよかったというわけでもなかったそうです。急行を特急に格上げしたことによる実質的な値上げという背景も大きかったのだと思われます(「踊り子」登場直前のダイヤは急行「伊豆」が下り9本・上り8本、特急「あまぎ」が3往復の設定と、急行が多数派という状態でした。加えて、修善寺方面に向かう列車は全て「伊豆」だったため、特急料金になったにも関わらず設備が微妙であれば、不満の声が上がるのも無理はないでしょう…。)。

 

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そんな時代背景の中で登場したのが251系「スーパービュー踊り子」です。コンセプトとなった「乗ったらそこは伊豆」の言葉からわかるように、伊豆への単なる移動手段ではなく、移動時間も旅の楽しみの1つとなるような設備が車内の各所に見られます。このコンセプトは先日のダイヤ改正でデビューした後継者(車?)「サフィール踊り子」にもしっかりと引き継がれていますね。書くまでもないかと思いますが、登場時は青とグレーを基調とした塗装で、現行のものよりも落ち着いた印象を受ける外観となっていました。

 

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1990年4月のダイヤ改正でデビューした「スーパービュー踊り子」は、当時3往復の設定に対して車両が2本しか製造されていないという状況でした。とりあえず一部の曜日を運休としてなんとか回していたそうですが、片方が検査のタイミングになると185系の代走が常態化することは避けられなかったとのこと。そんなこともあり、1992年に2本が追加製造されまして、現在の4本体制になったのでした。ここ数年でもたまーに見られた「スーパービュー踊り子」の185系代走は、運行開始の頃から行われていたんですね…。

 

また、「スーパービュー踊り子」の登場で伊豆方面の特急の号数が振り直され、185系の「踊り子」は100台の号数を名乗るようになりました。微妙な変化こそありましたがこの振り方は「スーパービュー踊り子」の引退まで30年間受け継がれてきました。

 

さて、登場後すぐに追加製造が行われる程度には好評だったことが伺える251系ですが、シートに多少難ありということで、2002年からリニューアル工事が施されます。その際に、白とエメラルドグリーンを基調とした現行の塗装に変更されました。JRの特急用車両って、個人的にはリニューアル後の塗装が揃いも揃ってなんだかなあ…、って印象なんですが、251系はリニューアル後の塗装の方が爽やかな感じがして好きですね。あくまで個人的には、ですけど。

 

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また、9号車と10号車に設置されていた「グループユニット」というグループ利用客向けボックス式クロスシートが通常の座席に変更されたことで、2004年からは「おはようライナー」・「ホームライナー小田原」にも充当されるようになりました。500円であの車内設備ですから、まあお得ですよね。というか、いくらライナーとは言えど、185系215系も251系も同じ料金ってのはどうなんだって未だに思いますが…。

 

その後は2007年頃に1・2号車のリニューアルが行われた程度で、大きな変化もなく現在に至ります。

 

東海道線一筋30年、ってイメージの強かった251系ですが、1990年代はちょくちょく色んな路線に顔を出していたそうです。多客臨では臨時特急「ビュー草津」で吾妻線万座・鹿沢口まで、臨時特急「ビュー谷川」で上越線水上まで、臨時特急「ビュー日光」で日光線日光駅まで、そして「デラックスビュー南房総」なんて列車で内房線の千倉まで入線したこともあるそうです。あとこれは最近知ったんですけど、1995年に羽越本線の村上まで入線したこともあるとか。意外とどこでも行けちゃうんですね。

 

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あとこれは記憶に新しい方も多いんじゃないでしょうか。2015年の2月から3月にかけて見られた251系の「河津桜トレイン」。前面ラッピングがなかったので、普通に撮ると側面になんかくっついてんな程度にしか見えなかったり。

 

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で、河津桜のラッピングが好評だったからなのかはわかりませんが、2015年12月から2016年4月の半ば頃まで「伊豆・箱根・湯河原 温泉いっぱい花いっぱいキャンペーン」ラッピングとして、4編成全てに沿線エリアを代表する花の装飾が施されました。このラッピングは前面にも装飾があるので、撮り甲斐があったなと。あんま撮ってませんけど。

 

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しかも全編成違うラッピングという力の入りっぷりでした。

 

とまあ、こんな感じで首都圏対伊豆方面輸送の第一線を走り続けてきた251系ですが、リニューアルからも10年以上が経過し、塩害で外装がボロボロになっているところを見かけることも多くなりました。置き換えの噂も次第に出始めてきますが、伊豆方面の特急には185系という251系よりもアレな車両がバリバリ使われており、どっちを先に始末するのか個人的にも注目していました。

 

で、結果として先に動きがあったのは251系でした。2018年5月、JR東日本から伊豆エリアへの新たな観光特急列車 E261系の登場が発表されたのです。251系の正式な後釜ということになります。JR東日本初の「プレミアムグリーン車」の導入や、食堂車が衰退の一途を辿る中でまさかの登場となった「ヌードルバー」、それ以外は全てグリーン車で、個室も2両分用意されるという超豪華仕様。251系のコンセプトが引き継がれるどころか、超大幅にアップデートされたという印象を受けます。依然として首都圏対伊豆方面の輸送は重要視されているということの表れとも言えるでしょう。

 

そして2020年3月、E261系は「サフィール踊り子」としてデビュー。同時に251系の「スーパービュー踊り子」は廃止となり、251系も全編成が運用離脱となりました。

 

余談ですが、このダイヤ改正で再び伊豆方面の特急列車の号数が振り直され、1989年以来、実に31年ぶりに「特急 踊り子1号」が復活したのでありました。

 

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 さて、登場から30年間「スーパービュー踊り子」として活躍してきた251系。一度も乗ったことがなく、そこまで思い入れがあるってわけでもないんですが、ガキの頃から見てきた特急がまた1つ消えると思うと少し寂しさも覚えます。

 

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そんなわけで、末期は河津桜のシーズンを中心に(185系とかいずっぱこのついでではありますが )ちょいちょい狙いに行ったりもしていました。

 

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そしてこれが最後のカットになった、2020年2月10日のスーパービュー踊り子10号。コロナの影響で一部のイベントこそ中止になりましたが、最後は多くのファンに見送られ、30年の歴史に幕を閉じました。

 

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ということで、251系についてだいぶダラダラと書いてみました。観光特急の先駆けともいえるこの車両がもたらしたものは、現代にも確実に受け継がれていると思います。やっぱり1回くらい乗っておくべきでしたね。コロナが落ち着いたら、後輩のサフィールに乗ってこようと思います。

 

 

予想以上に長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。次回は2013年頃の185系について書こうかなーと思っています。これもだいぶ長くなりそうな予感…。

 

ではでは。